【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 予告編

2015/3/12
 「今週は予告編」

 読者の皆さん、待ちに待った2015年シーズンの開幕です。モバアルで(記事のアップ当日に)ご覧になってる皆さん、僕なんかしびれを切らして明日、佐賀空港へ前乗りですよ。新しい冒険の旅です。そして新しい冒険の前乗りの旅です。いやもうね、早く明日にならないかな。でもって、早く明後日にならないかな。

 僕はまだ今年のチームをTV画面のなかでしか見ていません。2月11日のトレーニングマッチ・岡山戦(春野)と同21日の川崎戦(等々力)。まだ岡山戦は新宿のサッカーバー、フィオーリでフルタイムの中継が見られた。川崎戦にいたっては『ファイト!フロンターレ』(テレビ神奈川)のダイジェスト映像です。その後のトレーニングマッチは、行く気満々だったんですけど非公開になった。

 つまり、何にもわかってないんです。わかってないけど、頭のなかに妄想や願望やなんかがぱんぱんに詰まっている。空想上の戦術ボードでスタメンを何度も組み替えて、サガン鳥栖戦をシミュレートしてみている。で、勝てるんじゃないかなぁなんてニヤニヤしている。

 思えば開幕前の一週間はすべてのサッカーファンが平等に夢を見られる時間ですよね。期待に胸ふくらませている。戦績的にも無敗です。「開幕前無敗神話」。漱石風にいえば「吾輩はチャンピオンチームである。勝ち点はまだない」。土つかずのチャンピオンチームでしょう。まぁ、実際に開幕したらノンキなことばっかり言ってるわけにもいかないですけど。せっかく開幕前なんだからノンキなことばっかり言ってたいなぁとも思いますよ。

 何でかっていうと今シーズンは勝負の年なんですね。フロントは予算も労力も費やして最大限の戦力補強をした。柳下正明監督4年めの、既に土台ができてるチームに、新しい刺激をもたらす選手をきっちり加入させた。他クラブと比べて人数は少ないですけど、同ポジションのバックアップが計算された面白いチームです。

 僕はクラブの運命を変えるシーズンだと思います。そして新しいアルビレックス新潟像をつくり上げるシーズンだと思います。このオフ、田中亜土夢の退団が決まった時点で「2012年、奇跡の残留劇」のスタメンが黒河貴矢ひとりしか残ってないと話題になりましたね。選手は総とっかえに近いくらい変わってしまった。じゃ、アルビらしさって何だ? 選手でもなく戦術システムでもなく、アルビをアルビたらしめるものって何だ?

 その答えはもうすぐ出るんですね。戦いが始まったら僕らは本間勲も田中亜土夢もいないチームに、新しく魂を吹き込むことになる。そして熱く身を焦がすことになる。どうしたって強烈なシーズンになりますよ。

 読者も勝負しましょう。僕も心を込めて書いていくつもりですよ。本当に楽しみです。それじゃ僕はPCを閉じて、明日の荷物をまとめるとしましょう。もう一度、キックオフから妄想してみようと思います。というわけで皆さん、素晴らしいシーズンを!


えのきどいちろう
1959/8/13生 秋田県出身。中央大学経済学部卒。コラムニスト。
大学時代に仲間と創刊した『中大パンチ』をきっかけに商業誌デビュー。以来、語りかけられるように書き出されるその文体で莫大な数の原稿を執筆し続ける。2002年日韓ワールドカップの開催前から開催期までスカイパーフェクTV!で連日放送された「ワールドカップジャーナル」のキャスターを務め、台本なしの生放送でサッカーを語り続け、その姿を日本中のサッカーファンが見守った。
アルビレックス新潟サポータースソングCD(2004年版)に掲載されたコラム「沼垂白山」や、msnでの当時の反町監督インタビューコラムなど、まさにサポーターと一緒の立ち位置で、見て、感じて、書いた文章はサポーターに多くの共感を得た。
著書に「サッカー茶柱観測所」(週刊サッカーマガジン連載)。 新潟日報で隔週火曜日に連載されている「新潟レッツゴー!」も好評を博している。
HC日光アイスバックスチームディレクターでもある。

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