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2018.08.14スペシャル
【第24回】積み重ねが結果に出ると信じること
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フワッとした入りになっていないか

今週のコラムでは2試合を振り返りたいと思います。21日の山形戦の勢いそのままに、連勝を狙ったチームですが、残念ながら悔しい敗戦となりました。まずはアウェイでの東京ヴェルディ戦。「フワッと入った」という思いは選手にはないと思いますが、開始2分に新潟ゴール付近に高いクロスが入ってきました。GKアレックスがはじいてCKになり、そのCKを、輝綺が体に当ててオウンゴールになりました。

「フリー」「クリア」と声をかけていれば、あるいは状況が変わったかもしれません。また、ボールが来る前の準備として、ステップを踏んでおいたり、視野を確保したり。そういったことによって、楽に対応できる部分がある。夏場はどうしてもボケてしまいがちですが、90分を通して徹底すること。引き続きであり、改めての課題になると感じています。

横からのボールへの対応

5分にはサイドからのクロスに対して、ニアのセンターバックが触れず、9ドウグラスにシュートを撃たれました。もう少しニアのクロスボールを防ぐために、下がった状態でクロスに対応をしても、とは個人的に感じました。東京V戦は2失点目もクロスからPKを献上し、3失点目もシュートのこぼれ球が横に流れて決められています。いまの新潟は、横から来るボールに対する準備が少し上手くいっていないのかもしれません。

選手は分かっていることですが、守備ではボールとマーカー、どちらもが視界に入るポジションを取るのが基本。横から来るボールはマークが難しいですが、クロスが入る前の体の向きや、相手との位置取りなど、ちょっとしたディティールにはこだわりたいところです。とっさのアクシデントに対応するためにも、心がけたいですね。

セットプレー絡みで生み出した得点

一方、得点はセットプレーからゴールをモノにしました。1点目は泰基の特長であるロングスローから。スローインがクロスと同じものになるのは、守備側からするとものすごく嫌ですよね。中にはターゲットとなる貴章さんがいて、その周りではやはり何かが起こります。達さんのシュートも惜しかったですが、その後の安田さんの個人技が光りました。

2点目も、FKから健太君が中に入れたボールのこぼれ球を達さんが押し込んだもの。達さんの反応の速さは突出していましたが、FKが入る時に、貴章さんが相手を引き連れてファーサイドを空けた動きも、この得点を生んだ要因のひとつではないかと思います。3点目はCKから健太君。セットプレー絡みで得点ができるのは、本当に大きな意味を持っていると思います。

ボールを保持している時の質は高まっている

セットプレー絡みの得点が増えているのは、明らかに相手ゴールに近い位置でセットプレーが取れているからでもあるんですよね。押し込む時間は増えてきていますし、チャンスを作れている部分も多い。

ボールを保持している時は、ピッチの幅をうまく使いながら、新潟の特長であるサイドを活かした攻撃で、相手に対して優位な状況を作り出していると思います。攻撃の連係には深みが出て、質は高まりつつある。相手にとっては嫌なものになっていると感じています。そこでは新潟のいい部分がたくさん出る。逆に、そういう時間帯じゃない時に、相手の良さを出させない対応にも気を配る必要があります。

楽に試合をはこぶために、守備は統一を

失点場面もそうですが、オープンな状況になった時に、チームとしてどういう守備を敷くかが、前と後ろで曖昧になったり、間延びしている部分がありました。東京Vは、試合途中から、9ドウグラス、7アランピニェイロ、10レアンドロと前線に3人のブラジル人選手を配置して、新潟を再三脅かしました。

連戦、気温の高い夏場、試合の終盤。選手たちにとっては一番キツい時間帯です。その際、全体として守備を下げるか、あるいはもう少し高い位置で守備を行うか。僕はどっちであってもいいと思います。一方で前と後ろや、3ライン間で別々のことを考えていると、何かが起きた時に対応が本当に難しい。4失点目はまさにそうです。前線が前に行き、CBとボランチ間にスペースが生まれ、そこにボールが入って『ヤバい』と絞った時に、相手選手の技術でピンチを作り出されました。チームとしての戦い方をより明確にしていければ、もう少し楽に試合を運べたのではないかと思います。

ミスだけじゃない、1失点目の改善点

ビッグスワンでの千葉戦も、試合の入りがひとつの課題でした。立ち上がり、スローインからイブ君がスラし、相手に先に触られて1対1のピンチに。その後もクロスに合わされかける、危ない場面が続きました。誰がマークなのか、把握する能力や、危険な時に反応できる危機察知能力がより必要だと思います。

7分、中のマークが曖昧なまま、輝綺が処理を誤ったボールがこぼれ、失点を喫しました。ミスばかりに目が行きがちですが、たとえば得点を決めた船山は、サイドチェンジに関わってゴール前に入ってきました。そこでボランチが付いていくのか、泰基が絞るのか、CBの遠い方が見るのか。マークに対する認識がハッキリされていないがゆえの失点だったように思います。その前の部分でどれだけ防げるか、意識して守備ができるか。改善点はあると思います。

輝綺が持っているたくさんの良さ

センターバックで奮闘している輝綺は本職ではありません。もちろん、プロとして、ミスはゼロを目指すべきだし、彼もそれを理解しているはず。FWは9回ミスをしても、1回成功すればいいですが、DFは9回成功しても1回ミスをしたら、意味がないと言われる難しいポジション。ただ、それでも輝綺が持っているたくさんの良さを見てもらいたいと思います。

輝綺のユーティリティさ、縦への鋭いクサビや、サイドに付ける速いボール。前述した攻撃の質が高まりつつある部分に、貢献している部分は大きいし、なるべく彼の良さが出るようにチームとしても振る舞っていきたいですよね。責任感の強い選手だから、輝綺は苦しいと思いますが、チーム、サポーターを含めて支えてほしい。みんなで戦っていきたいと思います。

スペースに走り込む能力が非常に高い善朗くん

新潟の得点や安田さん、達さん、貴章さんという経験を積んだ選手たちの質の高さが存分に出たものでした。互いの良さを知り尽くしてプレーをしていますよね。背後へのボールに、相手GKが下がってくれたラッキーな部分はありましたが、達さんのパスは、貴章さんの足の長さや、相手DFより先に触れることを計算し尽くした優しいものでした。

また、新潟はそれ以外にもたくさんのチャンスを作り出しました。33分には善朗くんが、DFラインの裏を突く動きでミチさんからパスを引き出し、シュートを放ちました。以前も言いましたが、善朗くんはスペースに走り込む能力が非常に高い。どこが相手に嫌な位置か、そこに走れるかを理解しているんですよね。

最初の頃は足元があり、キック精度に特長があるんだと思っていました。でも、それだけじゃない。オフの動きの質が高くて、安田さんや祥郎など、出し手がルックアップするとスッとFWを追い越して裏を狙う動きがたびたび見られるんです。積み重ねによって新しく生まれつつある、チームのポジティブな要素じゃないかと思います。

積み重ねが結果に出ると信じること

貴章さんのヘディングがポストを叩いた場面が象徴的ですが、増えているサイド攻撃やクロスに対する中の入り方も、間違いなく向上しています。以前は相手に対応されると、動き出しの入れ替わりや強いアクションを起こせなかったのが、この試合では勢いそのままに中に入り、入れ替わってフリーな選手を作り出すこともできていました。

クロスのバリエーションもあり、ピッチに立っている選手たちはいいイメージを持てていたんじゃないかと思います。ただ、それだけで試合に勝てるわけじゃない。相手をねじ伏せる意味で得点が欲しかったし、決め切らなければならなかったと思います。

サポーターの皆さんは今まで以上にダイナミックな攻撃が見られたと思いますが、だからこそもどかしさや、勝ちに値する展開なのに、敗戦を喫したショックが大きかったのでは。僕は練習から突き詰めるしか、改善への糸口はないと思います。繰り返しですが、日頃の追求にいっそうこだわってほしいし、積み重ねが必ず結果に出ると信じること。あと少し、あと少し、と続けていますが、あとひと踏ん張りです。

いい方向に転がるための何かを

試合が終わって、僕は選手とサポーターの皆さんを見ていました。場内一周をしている選手も、サポーターの皆さんも、辛そうな表情をしています。普段は一緒に時間を過ごしているだけに、選手たちの悲しい気持ちは分かるつもり。また、自分自身はサポーターとして見ている部分もあるので、皆さんの悲しさも分かります。苦しいし、それがちょっとしたところで感情として出てしまうのも、よく分かります。

「我慢をしてほしい」という要求はしません。ただ、あきらめたり、『もうダメだ』と思ったら、物事はそっちの方向に転がっていくものだと思っているんです。いい方向に転がるための何かを、ひとりひとりが考えながら過ごしていく。まるで僕たちは試されているようですが、強い覚悟を持って臨んでいかないといけない。苦しさを噛み締めつつ、前に進んでいけたらいいですよね。

大分トリニータ戦に向けて

8月5日は大分トリニータ戦です。前半戦では、大分の組織としての完成度の高さを見せつけられました。大分の攻撃は変わっていないと思いますし、彼らが布陣する5バックは、新潟がこれまで少し苦手としていた部分でもあります。

でも、新潟にはプレー面でも、気持ちの面でも、積み上げていけているものがあるはず。どういう状況にあり、どういう守備、攻撃をしなければいけないかを、考えてやれればいい。1週間、いい準備を。勝利のための準備をしていきたいと思います。

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