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2018.05.17スペシャル
【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第370回
 「13戦5勝6敗2分」

 J2第12節、金沢×新潟。
 初めて実現した「北信越ダービー」の一戦。4000人のアルビサポが敵地に大挙押しかけた。ツエーゲン金沢応援番組『達洋・まさひこのアディショナルタイム』(MRO北陸放送)によると石川西部に迎えたアウェーサポとしては過去最多とのこと。ちなみに試合当日の同局ニュースは人数を約4500人と発表した。アルビ応援席はもちろん早々と完売、階段に座る人や立ち見でギュウギュウ詰めだ。メインスタンドも含め、オレンジ色に染まったゾーンはすごい密集率、赤いゾーンはけっこうまばら。番組出演した金沢・和田昌裕強化本部長が「前半、(ツエーゲンが)オレンジサポーターへ向かって攻めてたでしょ。もう雰囲気的にオレンジの壁みたいで、緊張したんちゃうかな。フリーのところでミスする必要ないミスをしてた」と語ったのも満更、誇張ではない。事実上のホームジャックだった。さすがGWの近県アウェー!

 試合。確かに前半、金沢は硬かった気がする。あれだけの音圧のなかで試合をしたことがないのだ。前半12分にターレスが今季初ゴール! 同29分に河田篤秀が追加点ゴール! 新潟応援席はお祭り騒ぎである。河田は「アップしてるときからニヤニヤしちゃいますね、あの声援は。『アイシテルニイガタ』も最高でした」とコメント、12番目の選手の働きをねぎらった。間違いなく「戦力」だったと思う。ここ最近の傾向である。アウェーゲームのサポが熱い。

 負傷交代の河田が気がかりなことを除けば、前半は文句なし、「(前節、退席処分を食らい、指揮を関浩二ヘッドコーチに任せた)ヤンツーさんがいないと歯応えないね~」くらいの軽口が飛び出していたのだ。まさか後半、楽勝ムードが一変してしまうとは。いや、正確に記すと後半4分、相手PKをGKアレックス・ムラーリャが止めた頃までは楽勝を疑ってなかった。金沢・マラニョンのキックが正面に飛び、アレックスの残った足に当たったのだ。ツイてる。これは最高の黄金週間だ。金沢の黄金週間ってゴールド感がハンパない。冷静に振り返ると完全に調子に乗っていた。

 冷静に振り返ると前半もまぁまぁウラを取られていたのだ。あれを「?」と感じるべきだったか。後半ははっきり押し込まれる。運動量が落ちて、セカンドボールを拾いまくられた。後半29分に相手CKからオウンゴール、同37分に佐藤洸一ゴールと、あっという間に同点に追いつかれてしまった。前半あんなに自信にあふれて見えたアルビ戦士がすっかり不安そうだ。もうちょっと早く何か手を打てなかったか。

 そうしたらチームを救うアラタなヒーローが出現した。ルーキー・渡邉新太初ゴールだ! ロスタイム、エリアで矢野貴章の落としから田中達也が粘ってチャンスを演出、貴章シュートのこぼれを渡邉新太がガツンと蹴り込む。自ら「魂で打ちました」と語る火傷しそうに熱いゴールだった。去年まで関東大学リーグでやり合っていた金沢・毛利駿也(去年までは新太が流経大、毛利が順大)が歩み寄って「カンベンしてよ」と声をかけたそうだが、聞こえたかどうか。何でかっていうとチームメイトからもみくちゃにされてたからだ。

 まぁ、「アレックスがPKを止めてなかったら」とか「最後、沼田クロスからの佐藤ヘッドをもし決められていたら」とか、不安材料はいっぱいある。だけど、渡邉新太のゴールで勝利したのは勢いがつく。ちなみにDAZN実況の角野達洋アナは決勝ゴールの選手を「渡邉コウタ」と絶叫していた。思い出に残るルーキーの初ゴールなのに「渡邉コウタ」だ。それについて前述の番組で「やっちゃったんですよ。何言ってんだろうってアルビサポから思われただろうなぁ」と反省の弁しきりだった。もっともアルビサポは狂喜乱舞の真っ最中で「渡邉コウタ」どころじゃなかったのだ。アルビ今季初の連勝!


 J2第13節、新潟×大分。
 中2日の過密日程だが、ホームで戦える利があった。アルビは両サイドに渡邉新太、戸嶋祥郎の大卒ルーキー組を起用、その勢いに期待する。対して首位・大分は前節大宮戦のスタメンから5人を入れ替える事実上のターンオーバーだった。負傷やコンディション面の配慮ということだが、5人入れ替えは尋常ではない。連携の齟齬(そご)が生じてくれないかなとうっすら期待したのだ。

 失礼しました。とんでもない話だった。齟齬が生じていたのはアルビである。いや、片野坂知宏監督、素晴らしいチームをオーガナイズしている。これは首位にいるのも納得だ。もうね、チームの完成度がぜんぜん違うのだ。5人替えの話をするなら(もちろん選手の持ち味で多少やり方は変わるのだろうけど)誰が出ても基本同じサッカーができる。練度が本当に高い。それは試合をご覧になった誰もが感じたことだろう。

 その練度についてもう少し具体的に見ていこう。ここは講師に元サカマガの平澤大輔さんにご登場願う手だ。さっそく「平澤メモ」を開封してみると、大分の可変システムを賞賛していた。基本は「3-4-3」なのだが、守備時は「5-4-1」になるという。まぁそこまでは両ウイングが下がるわけだから常識の範囲だが、面白いのは攻撃時だ。何と宮坂政樹が降りてきて4バックになる。「4-3-3」だ。ファン・ソンスと福森直也はハーフスペースに構える「偽サイドバック」になる。

 「ただ可変してるだけではなく、ボールを動かすタッチ数をできるだけ減らしているので、こちらが予測したり食いついたりするタイミングより早く裏を取ることができる。(中略)一説によれば、片野坂監督が広島のコーチ時代に、当時監督だったミシャから学んだのではないかということのようですね」(平澤メモ)

 はっきり言って今のアルビで太刀打ちできる相手ではない。アルビは「サイドバックの裏」をあい変わらず突かれ、寄せてはいるけれどかかってないプレッシャーでサクッと剥がされる。「ファーストディフェンダー」と言ってるわりに守り方の具体がないから、練度の高い相手にはチンチンにされる。本当にこれ、いっぺん整理して下さい。

 攻撃面ではボランチの推力がぜんぜん不足していた。タイミング的に「持ちました。さて、どうしましょう」だから、大分からすると逆にボールの獲りどころになってしまう。あれはいちいち「判断」するからいけないのか、パスの受け手が動きだしてないのか。

 完成度、練度の差、そして対敵戦術の差。早い話、「よく練習してるチームがよく研究してきた」のだ。負けるべくして負けたと言うほかない。一応、形の上での決勝点はソン・ジュフンのオウンゴール(クリアをミスキックしてしまう。野球でいえばファウルチップがゴールに飛び込んだ状態。完全なフリーだったからポンと当てるだけでよく、足を振る必要はなかった)だったが、あれさえなければという試合じゃなかった。

 唯一の光はいったん同点に追いついた渡邉新太の2戦連続ゴールだ。大外から原輝綺がクロスを入れ、ワントラップして左足一閃。とにかく魅力がある。たぶん16番のユニホームは注文殺到だろう。


附記1、大分戦後の小川佳純選手のコメント「・いつまでたっても進歩しないし、危機感がある。・2連勝もゲーム内容はぜんぜんよくなかったし、今日も内容が改善されていない。このままじゃ昇格なんて無理。・もう10試合以上進んでいるのに同じようなパフォーマンスの選手がいる。それを監督スタッフがどう見るか知らないけど、課題として早く向き合わないといけない。・自分たちのスタイルを貫いて勝てるほどの実力はない。それを続けてきた結果がこれ。・相手をリスペクトして研究して対策を練った戦い方が今は必要」は胸にずしんと来ましたね。

2、僕はプレーオフ進出を目標にします。まずそこです。開幕から「J2優勝」をイメージしてきましたが、現実的ではありません。

3、と思ってたらルヴァン東京戦は大逆転勝利でしたね。スカイAで見てましたが、今季最高のスペクタクルでした。尚紀決勝弾ナイスゴール! 至恩くんGJ! この試合は鈴木監督のやりたいサッカーがちょっと見えた感じでしたね。ルヴァン杯戦はいつも面白いんですよ。来週のニッパツも楽しみです。

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