NEWS

TOP > ニュース > スペシャル > 【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第377回
2018.07.05スペシャル
【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第377回
 「野津田。をプロデュース」

 J2第20節、町田×新潟。
 クラブ史的には、反町康治監督指揮下のJ2時代、川崎フロンターレ戦以来の町田市立陸上競技場だ。2001年11月10日「J2第43節」、あのときは雨だった。黒崎久志、氏原良二の2トップだ。鈴木慎吾、寺川能人がいた。秋葉忠宏、神田勝夫がいた。高橋直樹、野澤洋輔が守った。そしてリザーブに本間勲がいた。

 まだその時点でFC町田ゼルビアはJリーグクラブではなかった。東京都社会人リーグ1部だ。僕は実家が小田急線の向ヶ丘遊園駅なので、「沿線のJチーム」がとても感慨深い。今、自分が川崎市立生田中学校に通っていたら「狛江駅北口から味スタ行きのバス便があるFC東京」か「鶴川駅前からシャトルバスが出る町田ゼルビア」か「相模大野駅北口からバス便があるSC相模原」のどれを見に行ったか。あるいは「南武線で川崎フロンターレ」か。全部すごく土地勘がある辺りだ。中3の冬、相模原で模試を受け、柿生の私立高校に願書を出した(早々、別口に受かったので願書は取り下げた)。狛江には花火大会を見に行った。高校の卒業休みには溝の口の教習所で免許を取得した。

 何かアルビ的にも、自分史的にもせつなく甘酸っぱい気持ちを誘う町田市陸だ。古手のサポ、大嶋康裕さん(当時、古町でバーを経営。通称「オーちゃん」)が「土砂降りでラインも流されて見えなくなり、深澤選手がタッチラインの外を猛烈なスピードで相手と並走しながらドリブルして、皆で笑いました。僕たちもやけくそになって、土砂降りのなかパンツ一丁で組体操しながら応援しました。『扇』とかをやりながら90分」とLINEで教えてくれた。青春だなぁ。クラブ史の青春、自分史の青春。

 などと遠い目をしてる場合ではなかった。眼前の敵、町田ゼルビアは勝ち点35を挙げて、今季3位につけている。しっかり守って、接戦を勝ってきた印象だ。もちろん勝ち点24、14位の新潟としては難敵に挑む形だ。去年まではあんまり視野に入ってなくて、「相馬直樹監督だよね」「いっぺんJ3に落ちた」「野津田って交通の便よくないんでしょ」くらいの認識だった。もう「去年までJ1」みたいな意識はジャマなだけだ。ひたむきに挑むだけ。14位が3位に走り負けちゃいけない。気持ちで負けるな。

 アルビとしてはミッドウィークの甲府戦(1対5)の悪夢をどう振り払うかがポイントだった。非公開練習は守備再建に重点が置かれた。新システム「4-1-4-1」が採用される。サイズのある柳育崇がアンカーを務め、タテのボールはそこで跳ね返してしまう。DFのストレスを1個減らすイメージだ。

 ただ(特に前半は)その「4-1-4-1」がよくわからなかった。ずーっと押し込まれて自陣でサッカーしてたのだ。いわゆる「ハーフコートゲーム」。「4-1-4-1」もつぶれて型崩れしている。とにかくギリギリの瀬戸際でクリアしているだけだった。システムが機能してるかどうかを言うなら機能していなかったんだろう。ていうか、ああなってしまっては新システムも何もない。

 ハーフタイムにはよく0点でしのげたなと感心した。町田はフィニッシュだけがなかった。そこはやっぱりJ2の質というべきか、あぁ、やられたと思ってもハズしてくれるのだ。僕はアルビが(5失点の悪夢にうなされて?)臆病になってるチーム状況に見えた。「去年までJ1」の意識はジャマと言ったが、もう少し自信とプライドを持ってもいいんじゃないかと思い直す。

 あんなに町田にしたい放題される謂(いわ)れはない。あれじゃフツーに「J2の弱いチーム」だ。うーん、僕の言ってることは矛盾してるのだろうか。「14位なんだからよそ様よりひたむきであれ」は「14位はフツーにJ2で弱いチーム」と同義なのだろうか。僕は違うことだと思うんだけどなぁ。

 関係者席に福岡・井原正巳監督がスカウティングにいらしていて、次は町田と対戦なのだった。もしかするとロシアW杯のTV出演を兼ねて上京されたのかもしれない。元サカマガ編集長、平澤大輔さんが声をかけに行く。うわ、井原さんとも顔見知りなのか。「新潟、身体重そうだね。こないだは河田が途中から入ってきて嫌だったけど…」とおっしゃってた由。確かに試合間隔が詰まって、疲れはあったと思う。(あそこまでやられなくていいが)中4日のアウェーと中1週間のホームが違うのは自明のことだ。

 後半、「4-1-4-1」の最後の「1」、つまり1トップに入ったターレスがうまくハマらないのかもしれないと考えてみた。「4-1-4-1」は2つの「1」が機能しないと苦しいのだ。アルビは後半7分に広瀬健太のオーバーヘッド、同15分に加藤大のミドルがあったが、その程度だ。ぜんぜん攻撃が見られない。ずっと中盤を自由にされている。シュート自体が極端に少ない。

 この試合、最大の見せ場は後半34分の矢野貴章(ターレスに代わり、交代出場)だった。押し込まれた位置から(また押し込まれていた!)カウンターだ。敵DFのウラにパスが出た。広瀬ナイスパス! 貴章が走る。通った。抜けられそうだ。と思った瞬間、トラップがわずかに大きくなり、キーパーに収められてしまう。あれを決めてたらヒーローだったなぁ。決まっていれば試合全体の印象も変わっていた。

 結局、スコアレスドローで終了。「14位が3位相手によく耐えしのんだ」「上位相手にアウェーで善戦」とまとめてしまっていいものか。僕はそんなあっさり割り切れないんだなぁ。このまま引き下がって、沈んでいくなんて御免だ。「ベテラン監督」はこんなときこそ引き出しの豊富さを見せてくれ。「元J1チーム」はこんなときこそ地力を見せてくれ。


附記1、タイトルが最後まで決まりませんでした。「野津田。をプロデュース」には特に意味ありません。2005年のドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ)が好きだったんですね。原稿書き上げてちょっと内容的にどよーんとしてたので、せめてタイトルくらいは遊ぼうということですかね。あ、町田市陸は野津田公園のなかにあるんですよ。

2、でも、次節水戸戦は「地元じゃ負け知らず」の青春アミーゴを取り戻したいですね。

3、冒頭、名前の出てきたレジェンドたちは水戸戦翌日の7月1日、本間勲引退試合でピッチに立つんですよね。ていうか、出場メンバーが素晴らしい。さすが本間勲です。僕はちょっとお祝いごと(元アイスバックス選手の結婚式)で行けないんですけど、大いに盛り上がってくださいね。

4、町田戦の後は浜松町の文化放送へ行って、セネガル戦ラジオ中継の現場に立ち会いました。9階フロアがパブリックビューイングみたいになりました。

ベースボールマガジン社
Jリーグオンラインストア
インターネットショップ
ユニフォーム
ポッカサッポロ
愛宕福祉会
JCB
DAZN
必勝祈願アルビレックス新潟応援のぼり旗企画

PAGE TOP