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2018.08.02スペシャル
【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第381回
「失点しても立て直せるようになった」

 J2第24節、山形×新潟。
 ものすごい蒸し暑さのなか行われた試合。山形が盆地だということを思い知った。さすがにパフォーマンスが上がらず、前半からミスが目立つ。それから何かピッチ状態が変だった。スパイクのポイント選びの問題だろうか、みんな滑るのだ。前半37分の先制失点(得点者・小林成豪)の場面もGKアレックス・ムラーリャの足元が滑ったことによるミスキックが発端。芝(の滑る箇所)は係員が試合後もチェックしていた。どういう現象だったんだろう。

 しかし、芝のせいにばかりもしていられない。前節の奮闘を期待した向きには物足りない内容だった。ボールは持てた(持たされた?)が攻めに迫力を欠き、ピンチであっさり失点してしまう。繰り返されたアルビの負けパターンだった。まさかラストにあんな劇的なシーンが待っていようとは。

 連想したのはロシアW杯の日本×ベルギー戦だ。ベルギーがアディショナルタイム、スーパーカウンターで西野JAPANの夢を砕いたあのシーンだ。ベルギーはGKのキャッチングが起点だったからフィールドをフルに使ったカウンター、山形戦のアルビは渡邉新太が奪った地点からだからショートカウンター、その違いこそあれ、チームが意識を共有し、最後まであきらめず勝負に行って、勝ち切ってみせた感じがそっくりだと思う。ドリブルで持ち上がった新太は安田理大にラストパスを送る。エリアには安田も含め、人数が飛び込んでいた。

 「他の走っていた選手が引きつけていてくれたと思うし、最後、新太のボールがずれたらしばこうかと思っていましたけど、ちょうどいいボールが来たので(笑)」(試合後、安田理大コメント)

 ミチのゴールが決まって、3500人が集結したゴール裏や、頭のネジがすっ飛んだベンチが大騒ぎしていたら試合終了だった。ほとんど(バスケで言う)ブザービーターみたいな状態だったらしい。山形の選手がぐったり倒れ込む。蒸し暑さのなか走り続け、精も魂も尽き果てたという風情だった。

 まぁ、無理に日本×ベルギー戦に結びつけて考えるなら、西野JAPAN同様、山形は時間の使い方がまずかったのだろう。渡邉新太の同点ゴールの段階ですでにバタバタしていたが、アディショナルタイムの逆転ゴールは敵将・木山隆之監督の指示が「キープ→引き分けでいい」でなく「勝ちに行け」だったそうだ。これは本当に助かった。アルビとしてはキープされ、焦らされるほうがずっと嫌だった。

 普段、アルビもアディショナルタイムにやられたりするから気持ちは非常にわかるのだ。「勝ってる試合を勝ち切る」のは日本サッカーの課題かもしれないと考えた。試合後は山形駅前の白木屋で祝杯だ。勝利の味は格別だった。


 J2第25節、東京V×新潟。
 水曜開催のナイター。スコア通りの点取り合戦。夏休みのサッカー観戦にもって来いの面白い試合だったと思う。前日までの猛暑がちょっとおさまり(といっても最高気温32℃だが)比較的過ごしやすい夜だった。前半4分、原輝綺のオウンゴールでいきなり失点。ハラのハラに当たってオウンゴールか、と笑うに笑えない冗談を思いつき、自分で自分に舌打ちする。

 が、そこから盛り返すのだ。山形戦もそうだったが、先に失点しても、立て直せるようになった。アルビの元日本代表選手、矢野貴章、安田理大、田中達也がチームをけん引している。特に前半の田中達也はキレキレだった。日頃、つい献身性にばかりスポットを当ててしまうが、「自分でいいとこ持ってく」ゴールハンターの部分も強調したい。前半42分の逆転ゴールは(ポストに当てたやつも含めて)その面目躍如だった。今季初ゴールは全盛時と変わらないアジリティの賜物。

 後半早々、PKを与えて2-2の同点に追いつかれるが、同22分、CKを広瀬健太がボレーで叩きつけ、再びリードを奪う。ヴェルディは前回の対戦同様、横に揺さぶって(アルビDFの戻りを遅らせて)穴をつくる作戦だが、ちゃんとついて行ってる。これは勝てるんじゃないかと思った後半30分、2016年のJ1得点王・レアンドロがピッチに投入された。

 いや、先発したドウグラス・ヴィエイラも後半10分投入のアラン・ピニェイロも十分危険な選手なのだ。が、レアンドロは別格だ。試合の様相が一変する。ズバ抜けて巧い選手が入ると他も生きてしまう。あるいはそこを意識するあまり他が手薄になってしまう。ヴェルディの圧が急激に上がった。イニエスタ神戸入りの玉突き人事(?)が、まさかこんな形で降りかかって来ようとは。

 敵将ロティーナ監督によると「レアンドロのクオリティは誰もが知っている通りです。ケガ明けなので(様子を見ながら)少しずつプレーする時間を長くしていきたいです」ということだった。しかし、15分プラスアルファで十分仕事をした。今シーズン見た相手選手のプレーで突出していたんじゃないか。

 まぁ、しかしアルビにもチャンスがあった。敵DF井林章がバックヘッドでプレゼントパスをくれたシーン(!)等、決めていれば大いにもつれていた。試合展開としてはオープンな攻め合いだ。面白い試合だった。が、それだけに競り負けた悔しさがつのる。帰りの京王線で悔しくて「わあああ」とか言いそうになるのを懸命に堪える。いや、本気で悔しい。


附記1、山形戦は(通常の取材申請をしたんですけど)NDソフトスタジアムのVIP席へ通されてしまいました。大学の同級生が「全農ライフサポート山形」の社長になっちゃって、モンテディオのスポンサーさんなんですよ。さすがにVIP席では逆転ゴールで大騒ぎできませんでした。小さく左の拳でガッツポーズでした。「二重申請」に対応してくださったモンテディオ山形営業部の横山成彦さん、ありがとうございました。

2、山形戦翌日、米坂線を使って新潟へ移動、朝日アレックスアイスアリーナ&エフスリー亀田(フットサルコート)で行われている日光アイスバックスの新潟キャンプに顔を出しました。ホームリンク改修工事のため、氷上練習できる場所が必要だったんです。見慣れた新潟の景色のなかに、やはり見慣れた日光アイスバックスの選手がいる不思議な感じを味わいました。

3、東京V戦、前半37分・安田理大のPKゴールは「ロティーナさんが監督に就任して1年半、初めて相手に与えたPK」だったそうです。それから「前・後半で左右のポジションがそっくり入れ変わったのは、泉澤仁を入れるため、そもそも普段と逆にしてみてたんだけど、うまくいかないから元に戻した」だったそうです。もちろんヴェルディ担当ライターの海江田哲朗さんから教わりました。海江田さんありがとう。

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