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2018.10.18スペシャル
【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第392回
 「季節はずれの夏日」

 J2第36節、新潟×讃岐。
 朝、『土曜ワイドラジオ東京/ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)に出演してから東京駅へ駆け込んだら、仙台駅の人身事故の影響で上越新幹線にも25分程度の遅れが発生していた。間に合わなきゃ困るので「とき363号」(13時新潟着)の指定席は捨てることにして、1本前の「とき317号」自由席の列に並ぶ。どうにか3列席の真ん中に座れたけど、通路もデッキも人でびっしりだった。車中、『宗教消滅/資本主義は宗教と心中する』(島田裕己・著。SB新書)。社会構造の変化で宗教団体の信者数が激減している由。

 スワン到着はキックオフ直前になった。「JA全農にいがたサンクスデー」でおにぎりが配られたと聞いて、そういえば開幕戦のピカスタではうどんプレゼントやってたなぁと思い出す。当選者のアルビサポが受け取りに現れなかった(当選に気づいてない?)と評判になった。「米どころvsうどん県」の誇りをかけた戦いだ。これは「炭水化物ダービー」になるだろうか。

 この日は(両軍とも)相手チーム以外に強敵が出現した。暑さである。台風25号のフェーン現象で、新潟市の最高気温は季節外れの33.2℃(三条市では10月の国内史上最高気温36.0℃!)をマーク、体感的には夏の試合だった。ピッチの選手らはもちろん、バックスタンド側のサポもかなりきびしかったと思う。じりじり直射日光に焼かれるバックスタンドを見て、熱中症で倒れる人が出なきゃいいなぁと心配した。

 スタメンはシャトルバス車中で確認済みだった。変更なしだ。片渕浩一郎監督は連勝中、スタメンを固定している。これは相手の讃岐にも、スワンの観客にも宣言しているに等しい。今、取り組んでるサッカーを貫きますよ。勝ってるチームはいじりませんよ。

 考えるべきポイントは讃岐が現在、J2最下位チームだということだ。この連勝中、(アルビがそもそも降格圏スレスレにいた関係もあって)対戦相手はすべて自分らより上位だった。これは2つ懸念材料がある。ひとつはチームが緩んでしまわないかということ。アルビは昔から「弱きを助け、強きを挫く」体質だ。これは首位チームを撃破するときは痛快だけど、勝つべき試合に勝てない残念さも物語っている。もうひとつは「引いて守られたとき、打開できるか?」だ。讃岐はおそらく人数を残し、チームの重心を下げてくるだろう。当然、試合映像を見て対策してくる。シンプルなウラ抜けは難しいんじゃないか。

 試合が始まって、あ、何かいけそうだなと直感する。確かにウラ抜けを警戒して、最終ラインをケアしてるけど、讃岐はとにかく一生懸命で余裕がない感じだ。この暑さだし、集中はフルタイム続かないんじゃないか。最初のうちこそ「こう固められちゃひと工夫ないとこじ開けられないな」って感じだったけど、次第に「そうは言ってもこれだけ押し込んでたらいつか点は入るな」に見え方が変わる。

 先制点はまさにそういう得点。前半25分、加藤大のCKが、ゴール前の人がごちゃごちゃいるところで転がり、カウエが上手に浮き球にして決めたもの。敵陣深い場所で物事が推移すればいつかはこういうことが起きる。カウエの移籍初ゴールは嬉しかったなぁ。この選手をレンタルで獲ったことがアルビ復活の決め手になった(「梶山用兵」でなく「カウエ用兵」?)。すごくチームにフィットし、溶け合っている。うーん、大宮に返したくないなぁ。

 スコアが1-0で動かない間も、内容的には圧倒できていた。讃岐・北野誠監督が「全ては止める、蹴るのクオリティーの問題だと思う。選手が自分たちで高めないといけない」(会見コメント)と総括したのも納得だ。今季は苦しい試合が多かったけれど、たまにこういうやりたいことがスムーズにやれる試合があるといい。耐えてるだけじゃ形にならないものがひょいと姿を現す。

 僕が見たのは「相乗効果」だった。個々が分かり合って、互いを生かしていく。それぞれの良さが出る。僕は川口尚紀の再生に感動する。加藤大のアップデートに感動する。チームが出来てきたなぁと思う。いや、いつもこんなに試合が支配できるとは思わないが、ここで出来てることはいずれもっと(時間とスペースの)余裕のないところでも出来るようになるんじゃないか。

 後半14分、田中達也が相手に当たったこぼれ球を豪快に蹴り込む。スローで見ると讃岐DFの股下を通したファインゴールだ。達也はスーパーだ。彼の頑張りがアルビを復活させた。この日も出場時間いっぱい走り続けた。みんなそれが分かるからゴールが嬉しくて仕方ない。やったやった。歓声とどよめき、拍手がしばらくおさまらなかった。

 ほぼ完勝といっていいこの試合で、反省材料は最後のところだった。後半35分、渡邊新太に代わって矢野貴章IN。このときFMポートのベンチサイドリポーター、松村道子さんはフチさんの声を聞いている。「3点目が大事だ。3点目が試合を決める」。貴章はうなずいてピッチへ飛び出していった。俗にいう「次の1点」っていうやつだ。フチさんは徹底的に勝ち切るイメージだった。

 それがロスタイム、讃岐に「次の1点」を決められてしまう。陣形が間延びして、雑になったところを突かれ、原一樹に抜け出された。完勝ムード、暑さによる疲れ、集中力切れ、色々な原因があったと思うが、最後に「悪いアルビ」が顔を出してしまった。フチさんは「2得点した後のゲーム運び、最後の失点にまだまだスキがある。甲府相手にどこまでやれるか。この1点がいい薬になる」(会見コメント)と次節に目を向けている。勝ってカブトの緒を締めよだ。

 ともあれアルビは5連勝である。あれだけ勝てなかったホームで3連勝!ホントにね、今がまだ初夏で、「こんなに暑いんじゃ夏本番だね」なんて言ってたらどんなにいいか。季節はずれの猛暑はサポの「もういっぺん夏をやり直したい」願望が呼び寄せたものだったかな。


附記1、この日も僕はFMポートの「リアルアルビ中継」をヘッドホンで聴きながら試合を見ました。松村道子さんのベンチサイドリポートが秀逸で、臨場感バツグンでしたよ。立石勇生さんの実況も(以前、お手本として来てもらってた)文化放送スポーツアナの域を完全に超えました。立石さんにはもっと勝ち試合を数多く実況してもらって、エンディングに向かって高まってくパターンを完成させてもらいたい。今、サッカーのラジオ中継としては日本屈指じゃないかな。

2、夜はその立石勇生さん松村道子さんと「ナミックス presents サッカー愛好会の集い」(FMポート主催、@フーズバーささき)でした。勝ち試合の後ということもあって、みんなテンション高いのなんの。僕は随所で爆笑したなぁ。

3、今週(10月12日)はデンカビッグスワンで日本代表のパナマ戦ですね。東口順昭、川又堅碁と元アルビ選手がメンバー入りしてますが、何といっても森保一監督です。アルビ在籍歴のある初めての日本代表監督ですよ!

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