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アカデミー&メソッド部門:ポジション別トレーニング(スマートフィールダー)

2021/9/14

今回は、ゲームモデルの中に設定している局面を打開する方法として、ポジション別トレーニングの一部を紹介します。このトレーニングはU-15とU-18の2カテゴリーで実施しています。少しずつポジションが固定される年代であることが実施の基準になります。

状況としては、守備チームがブロックを作ったままサイドにプレスをかけていて、攻撃チームのボール保持者が有利な状態で中央(守備チームのフォワードと中盤のライン間)を経由してサイドチェンジをするシーンです。

特にサイドハーフ、サイドバックとフォワードに対してのアプローチが多くなる形で、サイドチェンジを集団で行えるように意識させて、実際のプレーに落とし込んでいきます。

まず、守備チームがサイドに追い込めるような形をつくり、攻撃チームにとって同じサイドから前進することが難しい状況をつくります。それだけでは目的を達成できないので、中央を使ってサイドチェンジをできるようなフォーメーションで守備チームはプレーします。同時に、攻撃チームのサイドバックにボールが渡ってからではないと、守備チームの選手がプレスに行けないルールをつけて、詰まった状態で攻撃チームのサイドバックが判断・実行できるようにします。

このトレーニングの中では、まず、サイドの選手からボールを受けた攻撃チームのボランチが攻撃の抜け道をつくれるように、フォワード、逆サイドのサイドハーフとサイドバックの動きを流れの中で教えていきます。そのためにフォワードは縦への動き(前後)、「マークを外す動き」をして、守備チームのディフェンスラインのバランスが崩れていれば背後へ動きます。逆に、背後が消されてしまった場合は、ライン間に降りてきてサポートします。逆サイドのサイドハーフとサイドバックに関しては、サイドで2対1をつくるためにどうすればいいのか、守備チームの右サイドバックのスライドが間に合わないようにするためにどのような動きが必要になるか、トレーニングしていきます。目的はサイドチェンジをして、アタッキングゾーン(相手のゴールに近いゾーンのこと)に侵入していくことです。


アルビレックス新潟U-15長岡 堀澤 監督

ゲームでサイドにボールが収まる(基点ができる)ことは、攻撃を有利にするうえでとても大切なことではありますが、相手チームからしてもサイドはボールの奪いどころでもあります。
同サイドからの前進が厳しい中でチャンスをつくるための方法として、サイドチェンジは効果的であり、センターバックを使ってのサイドチェンジより、このトレーニングで行ったようにボランチを使ってのフォワード・サイドハーフ・サイドバックを意識してのサイドチェンジの方が相手にはダメージがあります。このトレーニングは非常に実践的で、優先順位を考えながらそれぞれの選手がアクションを起こすことを学べるトレーニングでした。



アルビレックス新潟U-15長岡 大滝 選手

このトレーニングをやってみて、ミドルゾーンでのボランチのサポートポジションと認知によって、攻撃のバリエーションを多くつくることができました。トレーニングを通じて学んだこととして、中盤のサイドは相手チームのボールの奪いどころでもあるので、それを逆手に取ってDFラインの背後や逆サイドを使うことによって、チャンスを多くつくることができることも分かりました。トレーニングで取り組んだコンセプトを習得することで、試合でのパフォーマンスにいい影響が出ると思っています。ボールを保持しているサイドからの仕掛けとサイドチェンジを効果的に使い分けることで、中央やサイドからの攻撃の崩しがスムーズにできることが増えました。



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