【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第19回
2009/7/23
「ちょっと考えればわかりそうなもんだ」
J1第17節、新潟×川崎。大失敗だ。土曜の夜、ヒマだったものだから、うっかりNHK-BS1の「浦和×広島」&「Jリーグタイム」を見てしまったのだ。おとなしく「爆笑レッドカーペット」2時間スペシャルでも見とけばよかった。ちなみにひかりTVの「新潟×川崎」戦・動画配信は土曜22時からだった。
まずいなーと思ってたのだ。「浦和×広島」の画面の端に他会場の途中経過が入る。見ないつもりでもやっぱり目に入ってしまう。この日は悪いことに「リードしていて、どうやら終盤、同点に追いつかれたらしい」という、ゲームのキモの部分までわかってしまった。わかってしまうと何が起きたのか知りたくて、「Jリーグタイム」のダイジェスト映像を見てしまう。
だから、テンション低かったですよ、22時から見たひかりTVの動画。やっぱり、配信されるまでのタイムラグは、一切の情報を遮断してかからないといかんなぁ。とにかくサッカー番組は見ない。あとPCも開けない。それから妻にも協力をお願いする。
余談だけど、以前、W杯南米予選の「ブラジル×アルゼンチン」を録画して、そのときは徹夜で仕事したんだなぁ、仮眠をとって、さぁ、試合見ようと思ったら、妻に「ブラジル勝ったよ」と言われたことがある。「えぇーっ」と言って、その場にへたり込んだ。あまりにも落胆すると、ケンカとかになりませんね。妻は火がついたようにあわてて、「ごめんなさい」を繰り返してたけど、口をきく気力が湧かなかった。それ以来、うちのカミさんは試合結果については慎重に取り扱ってくれている。
それが今回は自分でしくじった。そういう事情も手伝って、ロスタイムの失点について選手を責めたりする気になれんのですよ。いや、確かに川崎は森勇介の一発レッド退場によってひとり少なかった。同点ゴールは残り30秒もなかったろう、新潟はボールをキープするだけでよかった。今季は、特にホームゲームで、終盤失点しては勝ち点を損してばかりいる。
どうにかならなかったのか、と皆、思っただろう。例えば「選手の意思統一はできていたのか」といった具合に。
残念ながら僕は、どうにかならなかったのか、と思いながらキックオフを見てしまった。順番がおかしい。せっかくの上位対決、せっかくの好勝負が台なしになった。しょんぼり。妻にも謝りたい。南米予選のときはすねちゃってすいませんでした。
俺もミスをする。そんな個人の細々した事情なんて知りたくはなかろうが、それでも痛恨のミスをする。ちょっと考えればわかりそうなもんだ。NHK-BS1見たらどんなことになるのか。
で、選手もミスをするんだなと思う。普通、こういうことを書くときは「選手もミスをする」→「俺もミスをする」の順番がせいぜいだと思うけど、今回はどう見ても俺が先だ。
もうね、バカかと思います。バカかと思ってじっと手を見る。で、どうしようもないんだ。やっちゃったことはどうしようもない。次の横浜FM戦へ向けて気持ちを切り替えるしかない。何かホント、コメントが選手みたいになってますけど。
ポジティブなインパクトは2点―、「松下得点あるねー」と「ゴートク面白い」だ。次節はマルシオ、千代反田と攻守の要が累積で使えない。この2人に頑張ってもらいたいと思います。
附記1 この日は「今季初ナイター」、「今季初・背中スポンサー(ビーズインターナショナル)」、「初・オレンジのゴールネット」と、初ものが重なった。試合前、ビッグフラッグ&ビッグジャージ(表・裏)がドーンと出たのも今季初だろう。勝ちたかったねー。
2、「11回めのプロポーズ」&「11回めのごめんなさい」企画は笑った。新潟と川崎は面白い関係だなぁ。JFLでもJ2でも好勝負を演じ、ついにJ1で上位対決するまでになった。ゲンミツな意味では違うんだけど、同期の桜っぽい。ただ向こうはアジアで戦ってるんだよなぁ。
3、カンケイないが、先日、郵便ポストに「新潟本舗ふるさと屋」入谷店のチラシというかメニューが入っていて、びっくりした。宅配弁当なんだけど、上越市のみなもと農場ってとこが経営母体なんだよ。で、日曜の夕方、妻が「ごはん作るのめんどくさい」って話になって、電話してみたら日曜定休で二度びっくり。出前は日曜がかき入れどきだと思うが・・・。
えのきどいちろう
1959/8/13生 秋田県出身。中央大学経済学部卒。コラムニスト。
大学時代に仲間と創刊した『中大パンチ』をきっかけに商業誌デビュー。以来、語りかけられるように書き出されるその文体で莫大な数の原稿を執筆し続ける。2002年日韓ワールドカップの開催前から開催期までスカイパーフェクTV!で連日放送された「ワールドカップジャーナル」のキャスターを務め、台本なしの生放送でサッカーを語り続け、その姿を日本中のサッカーファンが見守った。
アルビレックス新潟サポータースソングCD(2004年版)に掲載されたコラム「沼垂白山」や、msnでの当時の反町監督インタビューコラムなど、まさにサポーターと一緒の立ち位置で、見て、感じて、書いた文章はサポーターに多くの共感を得た。
著書に「サッカー茶柱観測所」(週刊サッカーマガジン連載)。
HC日光アイスバックスチームディレクターでもある。
※アルビレックス新潟からのお知らせ
コラム「えのきどいちろうのアルビレックス散歩道」は、アルビレックス新潟公式サイト『モバイルアルビレックス』で、先行展開をさせていただいております。
更新は公式携帯サイトで毎週木曜日に掲載した内容を、翌週木曜日に公式PCサイトで掲載するスケジュールとなります。えのきどさんがサポーターと同じ目線で見て、感じた等身大のコラムは、試合の感動が覚める前に、ぜひ公式携帯サイトでご覧ください!
J1第17節、新潟×川崎。大失敗だ。土曜の夜、ヒマだったものだから、うっかりNHK-BS1の「浦和×広島」&「Jリーグタイム」を見てしまったのだ。おとなしく「爆笑レッドカーペット」2時間スペシャルでも見とけばよかった。ちなみにひかりTVの「新潟×川崎」戦・動画配信は土曜22時からだった。
まずいなーと思ってたのだ。「浦和×広島」の画面の端に他会場の途中経過が入る。見ないつもりでもやっぱり目に入ってしまう。この日は悪いことに「リードしていて、どうやら終盤、同点に追いつかれたらしい」という、ゲームのキモの部分までわかってしまった。わかってしまうと何が起きたのか知りたくて、「Jリーグタイム」のダイジェスト映像を見てしまう。
だから、テンション低かったですよ、22時から見たひかりTVの動画。やっぱり、配信されるまでのタイムラグは、一切の情報を遮断してかからないといかんなぁ。とにかくサッカー番組は見ない。あとPCも開けない。それから妻にも協力をお願いする。
余談だけど、以前、W杯南米予選の「ブラジル×アルゼンチン」を録画して、そのときは徹夜で仕事したんだなぁ、仮眠をとって、さぁ、試合見ようと思ったら、妻に「ブラジル勝ったよ」と言われたことがある。「えぇーっ」と言って、その場にへたり込んだ。あまりにも落胆すると、ケンカとかになりませんね。妻は火がついたようにあわてて、「ごめんなさい」を繰り返してたけど、口をきく気力が湧かなかった。それ以来、うちのカミさんは試合結果については慎重に取り扱ってくれている。
それが今回は自分でしくじった。そういう事情も手伝って、ロスタイムの失点について選手を責めたりする気になれんのですよ。いや、確かに川崎は森勇介の一発レッド退場によってひとり少なかった。同点ゴールは残り30秒もなかったろう、新潟はボールをキープするだけでよかった。今季は、特にホームゲームで、終盤失点しては勝ち点を損してばかりいる。
どうにかならなかったのか、と皆、思っただろう。例えば「選手の意思統一はできていたのか」といった具合に。
残念ながら僕は、どうにかならなかったのか、と思いながらキックオフを見てしまった。順番がおかしい。せっかくの上位対決、せっかくの好勝負が台なしになった。しょんぼり。妻にも謝りたい。南米予選のときはすねちゃってすいませんでした。
俺もミスをする。そんな個人の細々した事情なんて知りたくはなかろうが、それでも痛恨のミスをする。ちょっと考えればわかりそうなもんだ。NHK-BS1見たらどんなことになるのか。
で、選手もミスをするんだなと思う。普通、こういうことを書くときは「選手もミスをする」→「俺もミスをする」の順番がせいぜいだと思うけど、今回はどう見ても俺が先だ。
もうね、バカかと思います。バカかと思ってじっと手を見る。で、どうしようもないんだ。やっちゃったことはどうしようもない。次の横浜FM戦へ向けて気持ちを切り替えるしかない。何かホント、コメントが選手みたいになってますけど。
ポジティブなインパクトは2点―、「松下得点あるねー」と「ゴートク面白い」だ。次節はマルシオ、千代反田と攻守の要が累積で使えない。この2人に頑張ってもらいたいと思います。
附記1 この日は「今季初ナイター」、「今季初・背中スポンサー(ビーズインターナショナル)」、「初・オレンジのゴールネット」と、初ものが重なった。試合前、ビッグフラッグ&ビッグジャージ(表・裏)がドーンと出たのも今季初だろう。勝ちたかったねー。
2、「11回めのプロポーズ」&「11回めのごめんなさい」企画は笑った。新潟と川崎は面白い関係だなぁ。JFLでもJ2でも好勝負を演じ、ついにJ1で上位対決するまでになった。ゲンミツな意味では違うんだけど、同期の桜っぽい。ただ向こうはアジアで戦ってるんだよなぁ。
3、カンケイないが、先日、郵便ポストに「新潟本舗ふるさと屋」入谷店のチラシというかメニューが入っていて、びっくりした。宅配弁当なんだけど、上越市のみなもと農場ってとこが経営母体なんだよ。で、日曜の夕方、妻が「ごはん作るのめんどくさい」って話になって、電話してみたら日曜定休で二度びっくり。出前は日曜がかき入れどきだと思うが・・・。
えのきどいちろう
1959/8/13生 秋田県出身。中央大学経済学部卒。コラムニスト。
大学時代に仲間と創刊した『中大パンチ』をきっかけに商業誌デビュー。以来、語りかけられるように書き出されるその文体で莫大な数の原稿を執筆し続ける。2002年日韓ワールドカップの開催前から開催期までスカイパーフェクTV!で連日放送された「ワールドカップジャーナル」のキャスターを務め、台本なしの生放送でサッカーを語り続け、その姿を日本中のサッカーファンが見守った。
アルビレックス新潟サポータースソングCD(2004年版)に掲載されたコラム「沼垂白山」や、msnでの当時の反町監督インタビューコラムなど、まさにサポーターと一緒の立ち位置で、見て、感じて、書いた文章はサポーターに多くの共感を得た。
著書に「サッカー茶柱観測所」(週刊サッカーマガジン連載)。
HC日光アイスバックスチームディレクターでもある。
※アルビレックス新潟からのお知らせ
コラム「えのきどいちろうのアルビレックス散歩道」は、アルビレックス新潟公式サイト『モバイルアルビレックス』で、先行展開をさせていただいております。
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