【フォト日記】ここを乗り越えてこそ

2012/2/1
新潟は連日大雪が続いているというニュースが高知でも報じられ、新潟に家族を残している選手たちは連絡を取っている様子でした。今日の高知は、空は雲がまばらにある程度なのですがなぜか細かい雨が降ってくるという不思議な天気。トレーニングウエアを濡らすほどのものではなかったのですが、風は強く、ウエアを着こんでいる選手が多く見受けられました。

午前中の練習では、黒崎監督が前日に「明日はサッカーをしますよ」と報道陣にも語っていた通り、ボールを使ってのトレーニングに。「パス&コントロールやワンツーなどを入れていくから、タイミングをしっかり取って、サッカーの感覚を取り戻していこう」と選手たちに声がかけられ、ピッチに広がります。

まずは6つのポイントに選手を配して、周回しながらワンツーでパスを回していくメニュー。昨日に続いてではありますが、ピッチの上でボールに触ったのは2日目。またボールが新しい「タンゴ12」になり、感覚がつかみ切れていないこともあってか、序盤はタッチでミスをする場面も見られました。それでも、リズムをつかんでからはきれいな回転で相手に通すパスをどの選手も披露していました。

続いて5対5に2人のジョーカーを付けてのポゼッション練習。グリッドを置き、エリアを狭く区切ってのパス回しは攻守の切り替えも求められます。ここで目を引いたのが新加入のキム・ヨングン選手で、利き足の左だけではなく、右足も駆使しながら正確にパスを射抜いていました。フィジカルの強さも十分なだけではなく、奪われたボールをすぐに取り返そうとスライディングするファイティングスピリットも(このメニューはスライディング禁止だったため、「ヨングン、ダメだよ」と他の選手から笑ってダメだしをされましたが)。レベルの高いテクニック、フィジカル、メンタルを持っていることを、早くも見せてくれています。

さて、今日のトレーニングで一番の山場だったのは、この午前ではなく、午後のトレーニングでした。フィジカル向上のために一度は通らなければならないサーキットトレーニングが、選手を待ち構えていたのです。

ゴムチューブやポールなど、キットが至るところに設置され、選手たちは3人1組でそれらをひたすらまわり続ける苦しいメニュー(種目は全部で10ほどもありました)。「吐きたかったら吐いてもいいんだぞ!」とトゥッコフィジカルコーチが言うほど、選手たちも苦悶の表情を浮かべます。

「この練習は間違いなく厳しいメニューだ。足が重い、ケガが怖い。そういう心配もあるかもしれないが、正しくやれば大丈夫だ。何より自分たちは上を目指さなければいけないぞ。ここを乗り越えよう。リスクを負ってでも前に行こう!」とトゥッココーチはメニューに取り組む選手たちに檄を飛ばし続けます。「やっているのは1人じゃないぞ! 周りの選手たちは声をかけて助けてやれ!」と言うと、あちこちから「おい、頑張ろうぜ!」「ラストラスト!」という声が飛んでいました。

ベテランの内田選手や小林選手、ミシェウ選手らも約40分、厳しさを凝縮したようなサーキットをやり切って、見事にトレーニングは終了。選手たちはさすがに疲れの表情を一様に見せていましたが、大きなハードルを乗り越え、充実感も漂わせていました。明日は午前中をオフとし、午後は3時からのトレーニング。チームは一丸となり、練習に臨んでいます。


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