鈴木大輔選手 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン) 報告記者会見リポート

2012/8/14
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いつもアルビレックス新潟に温かいご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。アルビレックス新潟は、本日8月14日(火)に、新潟聖籠スポーツセンターにおきまして、鈴木大輔選手の第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)報告記者会見を行いました。記者会見は17:00から行われました。下記に鈴木大輔選手の挨拶と質疑応答をお伝えいたします。

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●鈴木大輔選手より挨拶
アルビレックス新潟の鈴木大輔です。残念ながらメダルは獲得できませんでしたが、皆さんの声援のおかげで6試合を戦うことができました。自分としては非常にいい経験ができたと思っています。ただこの経験をこれからどう活かしていくかが大事だと思っているので、しっかりチームに還元できるように頑張っていきたいと思います。

※鈴木大輔選手への質疑応答
――今回の大会ではディフェンスラインの中心としてプレーしたが、改めて大会の総括を。
鈴木 チームの立ち上げから呼んでいただき、2年間この年代の代表でやってきました。自分としてはこの代表で経験を積めたことが非常に大きな経験になっていると思っています。雰囲気のいいチームでしたし、まだまだこのメンバーとやっていきたいという思いが強かったので、大会が終わってしまって残念です。ただ、代表でやっていく中でチームとしても個人としても成長を感じることができましたし、非常に充実した2年間だったと思います。

――スペイン戦を初め、世界のリーグで活躍する選手達と対戦したが、自身の手ごたえは。
鈴木 守備では予選から自分たちがやりたい事ができていました。前からボールを奪いに行くことがこのチームの良いところなので、そこは徹底してできたと思いますし、耐えなくてはならない時に、自分としてもしっかり体を張ることができました。ラインもコンパクトに保つことができていたと思うので、大きな収穫となりました。

――ロンドンに行く前、攻撃としても組み立ての第一歩になりたいという話しがあったが、攻撃の部分での手ごたえは。
鈴木 後ろからいい攻撃につなげるというところで、ボールを奪った後、縦を意識してパスを出すということは何試合かできました。あとは裏へのロングボールで裏のスペースを使うこともできたので、そういうシーンはよかったかなと思います。苦しい展開になったときにもう少しはっきりしたプレーが求められると思うので、後ろからつないでいくだけでなく、もう少しサイドや裏のスペースを使えればよかったかなと思います。

――優勝候補のスペイン、実際に優勝したメキシコとも戦ったが、実際に試合をした中で一番手ごわかったと感じたチームや選手がいれば。
鈴木 どのチームの選手も脅威を感じたが、初戦のスペインのFWはパス回しの中から飛び出してきて予測のしづらさがありました。相手が10人になってからもスペインにはボールを回されましたし、メキシコにしても疲れた中でしっかり前線から追うことのできるメンタリティはすごいと思いました。自分自身ももう少しタフにならなくてはと感じました。

――オリンピックを終えて新潟に戻ってきたが、Jリーグでの戦いに向けての意気込みを。
鈴木 自分としては非常にいい経験ができたと思っているので、まずこの6戦をタフに戦えたというところ、ストロングポイントである守備の粘り強さや、対人での対応は新潟に帰ってきても出し続けたいと思います。また堂々とプレーして皆を引っ張っていき、チームが相乗効果でよくなればと思います。

――残念ながらメキシコに敗れ、その後にメダルをかけて韓国と戦ったが、その時の意気込みを。
鈴木 メキシコに負けた後、頭を切り替えてメダルを狙いにいくことはできました。韓国の選手は全員モチベーションを高く持ってやってきましたし、それに対して日本のサッカーはある程度できたと思います。ただ結果が出なかったというところで、もう少しタフさが求められてくるのかなとは思いました。終わってしまって非常に悔しかったですが、負けて悔しい思いをした分、次につなげられればいいかなと、今はそう思っています。

――チームに合流して監督やチームメイトとはどんな話をしたか。
鈴木 向こうにいる時から「頑張れよ」、「メダル取ってこいよ」といった連絡は皆がくれましたし、それだけにメダルは取って帰ってきたかったですね。帰ってからは監督、チームメイトから「よかったよ」、「お疲れ」と声をかけられたので、期待をされていたことを感じましたし、チームを抜けていた分、取り返していければと思うので、チームのためにやるだけです。

――課題としてもう少しタフさが必要だという話だが、それは精神面でのことか。
鈴木 負けた2試合は自分の強さを出せるシーンが少なかったと思うので、どの試合でも自分の良さが出せるようにという意味で、技術的にもフィジカル的にももう少し強さがいるのかなと思いました。決勝でもそうでしたし、メキシコはどの試合を見ても全員がハードワークをして前から追っていました。日本が勝ち続けるためにも運動量は必要になってくると大会を通じて感じましたし、それが続くように精神的なところとフィジカル的なところ、両方を上げていければいいのかなと思いました。

――今後の短期での目標と先を見据えての目標については。
鈴木 短期的な目標としてはチームのために自分の力を全て出す、これまでと変わらないモチベーションでやっていきたいと思います。アルビレックスの勝利のためにというところしか考えていません。長期的にはここからが勝負だと思っているので、この経験をしっかりと自分のものにしたいと思っています。大会が終わった後に関塚監督も言っていましたが、ここからどれだけの選手がA代表に入れるかが大事だと思っているので、自分もA代表に入っていけるように、頑張っていきたいと思います。

――A代表の先輩でもある吉田麻也選手とプレーをして、刺激になったところなどがあれば。
鈴木 毎回CBで組んだ中でアドバイスは多くもらいました。ラインを上げるタイミングや相手への対応の仕方は勉強になりました。ただ、今までやってきた自信もありましたし、自分としては頼りきりにならずに、積極的に自分からDFラインをコントロールしようとは意識していました。これからもその意識は変えずにやっていきたいと思います。

――今日のファンサービスで男の子から手作りの金メダルをもらっていたが。
鈴木 メダルは取れませんでしたが、今日、金メダルをもらえたので、非常に嬉しく思っています。サポーターの人たちに色んな声をかけてもらって、皆が応援してくれていたんだなと嬉しく感じました。

――久しぶりに新潟に帰ってきてやりたいことや食べたいものなどがあれば。
鈴木 ずっと新潟のお寿司が食べたかったので、昨日、食べに行ってきました。

――6試合全てにフル出場したが、そのことについて思うところは。
鈴木 まず6試合全てに使ってくれた監督に感謝したいです。6試合プレーする中で自分の持ち味が出せた試合、出せなかった試合がありました。まだ整理できていませんが、どういう相手に自分の持ち味が出せないのか、どういった相手には自分の良さが出ているのかが分かってくると思うので、そういったところでは6試合できてよかったなと思っています。

――大会期間中、石川県でも多くの方が応援していたが、石川県民の方にメッセージがあれば。
鈴木 自分自身、石川の人たちに見てもらいたいという気持ちで頑張ってきましたし、一戦一戦、感動してもらえるように、自分の全力は尽くしたつもりなので、喜んでくれていたらいいなと思います。

――オリンピックで充実感と悔しさあると思うが、その割合は。
鈴木 戦っていく中で充実感を感じながらやっていましたが、最後に負けてしまいやはり悔しさが残った大会になりました。

――世界の強豪と真剣勝負をしてきた中で、世界との距離感はどのように感じたか。
鈴木 大会を通じて、世界を相手にしても十分戦えると感じたので、大きな距離は僕自身は感じませんでした。ただ、その少しの差を埋めるのが非常に難しいとも感じました。集中力が一瞬でも切れるとやられてしまうのは感じましたし、そうした差を埋めるために努力していきたいと思います。

――高徳選手と同じチームで、一緒にピッチに立つ場面もあったが。
鈴木 高徳とは新潟でも組んだことがありますし、スムーズに試合に入ることができました。同部屋だったので、サッカーのことやプライベートのことなどをずっと話していました。ピッチの上でも楽しくやれたので、もう少し高徳と一緒に試合をしたかったですね。

――サッカー以外で印象に残った競技があれば。
鈴木 他の競技の試合はほとんど見られなかったので分からないのですが、ニュースやインターネットで活躍は知っていたので、それに対して自分たちもという思いはありました。44年ぶりにベスト4に入れたのもそういった刺激があったからこそだと思います。

――印象に残った対戦相手の選手は。
鈴木 2戦目のモロッコ、9番のFWの選手が一番印象に残っています。体も強く、スピードもあってその選手に対して自分の持ち味を十分に発揮できず、自由を与えてしまったので、すごく印象に残った選手です。

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