アカデミー&メソッド部門、新型ウイルスによる活動自粛期間に行っているアクティビティ

2020/5/15
いつもアルビレックス新潟に温かいご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。
現在は世界中が新型ウイルスによる多大な影響を受け、2月末以降、日に日に状況が深刻になり、感染拡大の予防のために活動を自粛し、私たちの日常生活も以前と比べて大いに変わっています。 4月中旬以降、アルビレックス新潟アカデミーは、ピッチでのトレーニングを回避し、コーチ陣も密接することなどを控えています。つまり、アカデミー、メソッド部門を含めて、これまでの取り組みができないという状況です。しかし、ピッチを利用せずとも在宅のまま、アカデミー、メソッド部門とトップチームとのコラボレーションの機会をつくり、各カテゴリーともさまざまなプランを実施してきました。例えば、Zoomを通して全カテゴリーの選手がフィジカルトレーニングを実施したり、分析を行うなど、各セッションにおいてコーチ陣が率い、チームとしての活動を継続しています。


■アカデミーとメソッド部門が行ってきたアクティビティ

アルビレックス新潟のトップチームの選手達は、トレーニングに対して真剣に取り組む姿勢を見せています。アカデミー選手たちとのセッションでは、トップレベルの選手たちが取り組むフィジカル、また体験談を聞くなど有意義な時間を共有しています。


・コンディショニング
アカデミーのコンディショニングコーチによるフィジカルトレーニング。怪我の予防を第一に、主要な筋肉の強化と柔軟性を鍛えるメニューで構成されています。目的のひとつに、ピッチを使用した通常の活動が再開したときに、支障なくトレーニングに移行できるよう、最適なコンディションづくりが挙げられます。


・トップチーム選手とのオンライン授業
アカデミーの選手とトップチームの選手が、オンライン上で交流する取り組みを初めて実施しました。各カテゴリーの選手が監督やコーチの進行のもとで行われる授業に、トップチームの選手が登場。プロに至るまでの鍛錬や心構えの経験談を聞くだけでなく、アカデミーの選手の質問に応じる相互交流がありました。年代ごとに異なる、技術レベルやチームプレーの悩みについて、トップチームの選手たちは真摯な姿勢と柔らかい口調で、丁寧に回答してくれました。オンライン上とはいえ、憧れのプロ選手と同じ時間を共有できたことは、アカデミー選手たちの喜びであり、お互いにエネルギーを補給しあっているような、素晴らしい出来事でした。


・アカデミーのコーチ陣よるチーム構築のセッション
活動休止に伴い、各自が自宅で生活する中で、選手同士のコミュニケーションを継続する目的。コーチ陣が特色をいかした独自の内容を考案し、選手たちと活発なディスカッションが進んでいます。


・メソッド部門による分析
アルビレックス新潟アカデミーのゲームモデルに沿って、選手達にワンプレーもしくはツープレー程度の短い映像を見て、私たちのゲームモデルの中にあるコンセプトを可視化して学ぶセッションとなっています。通常時にフィールドで体現しているプレーを、こういう時期だからこそ映像をじっくりと目に焼き付け共有し、深い理解を求めていきます。


・メソッド部門による分析課題
個別に課題を持たせたセッション。アカデミー選手達に短い映像を提供し、それに関する課題を出します。映像提供から1週間をかけてプレーの分析を課し、記入シートに解答を書くことにしています。試合中に起こりえる状況を各自が考え、言葉にすることで分析する習慣が身につきます。もちろん、各自が分析した結果は、状況が好転した際には、学んだことをフィールドで表現することも視野に入れています。



・選手達と共に行うメソッド部門によるコー・ラーニング
複数の選手がお互いのプレーを分析し、戦術的、技術的な部分について意見しあう形式で構成されています。選手が対等な立場でコミュニケーションをはかり、互いに話し合うことで学びを深めることが目的となり、また選手間の団結力やチーム力を強固にしていくことが狙いとなります。


■コーチ陣とのセッション
アルビレックス新潟のコーチ陣はレベルが高く、受け持つカテゴリーに関係なく、意見を伝え合い、向上する意識の強い集団。コーチ陣はゲームを分析し、テーマを設けて意見交換します。話し合いの中で導き出した結論は、最終的にチームのゲームモデルに反映されます。その基礎となる活動内容を紹介します。


・吉永一明アカデミーダイレクター(U18監督兼務)が行うミーティング
週に1度、吉永アカデミーダイレクター主導でアカデミーのコーチ全員でミーティングを行います。この活動の目的は、常にアカデミー全体で共通意識を持ち同じ方向に向かっていくことを主なものとしています。


・各カテゴリーのコーチ陣が集まり行うミーティング
週に1度、吉永アカデミーダイレクターが各カテゴリーのコーチとミーティングを行い、前週の活動のフィードバックと今週の予定に関する説明をしています。この活動の目的は、現在行っているセッションが有効かどうか判断をし、新しい状況により迅速に対応できるようにすることです。


・メソッド部門によるコーチを対象とした個別ミーティング
このアクティビティは通常、対面する形で行われています。このセッションはコーチ陣に対するコンサルティングも含まれており、シーズンを通して追及していくことに関して月ごとに集まり、調整をしていきます。さらに、トレーニング内容に関する話や年間スケジュールに関しても話し合いをしていきます。


メソッド部門によるテクニカルディスカッション
このアクティビティに関しても、通常は対面で行われる形式。ゲーム分析やパネルを使った討論等を中心に行っており、トレーニング内容についてはこれから触れていくつもりです。現在は、主にゲームモデルに関するディスカッションをしており、ディフェンスを中心に話し合いを進めています。


ジャパンサッカーカレッジの実習生とメソッド部門の連携
ジャパンサッカーカレッジの実習生も、アルビレックス新潟のスタッフの一人である意識を持って活躍してもらうことを目的にしています。毎週新しいテーマについて話し合いを行い、課題にも取り組んでいます。課題はプレーの分析に関することで、翌週に答え合わせとその解説を行っています。



オスカルガルシア メソッド部門ディレクター コメント
緊急事態宣言が出されて以降も、アカデミーは本当に素晴らしい活動をしています。アカデミーダイレクターを初め、メソッド部門、コンディショニングコーチ、ゴールキーパーコーチなど、アカデミーのコーチ陣の全員がアイデアを出し合い、アクティビティの組み立てを行いました。チームとしての活動、フィジカルや座学の要素を含んだアクティビティ等たくさんのセッションがありました。難しい社会情勢の中でも、成長のためにできることを、スタッフ全員が最大限の努力をしています。日々、力を尽くしていただいているスタッフの皆さんに、感謝を伝えたいと思います!


吉永一明アカデミーダイレクター コメント

いま世界中の人達が新型ウイルスの影響を受け、苦しい日常を送っています。
そんな中、我々アカデミーの選手達、スタッフもピッチでの活動が出来ない状況ですが「いま置かれた状況を理解してやるべきこと、やれることに最善を尽くす」、そして「ピッチでの活動が再開されたときに、何かひとつでも成長した姿を見せよう」ということをテーマに頑張ってくれています。この期間の活動の中で、トップチームの選手達からも大きな刺激をいただいています。これはアカデミーの選手達にとって本当に素晴らしいことです。このような取り組みを実現させてくれたクラブの皆さんには感謝したいと思います。
アルビレックスファミリーでこの苦しい状況を乗り越えて、笑顔でピッチを駆け回れる日が来るように、今はみんなで我慢をしてがんばりたいと思います。


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