【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 第101回(前編)
2011/7/28
「日本平」
J1第5節、清水×新潟。
今週は「中2日の清水」と「中5日の新潟」だった。猛暑の夏だ。このアドバンテージは大きい。うまく生かせば、今季初の連勝が見られるかもしれなかった。そして、苦しいなかで少しずつ作り上げてきた今季の新潟スタイルを見る機会だった。
試合はいきなり前半5分、石川直樹のゴールで先制する。亜土夢のCKをファーの菊地がヘッドで折り返し、それを石川がスラして決めるという、これはもう練習&研究の成果。田中亜土夢のセットプレーは貴重な得点源になりつつある。ここ数試合、彼がやり切ろうとしている姿は胸を打つ。いいことも悪いこともあった。僕は「進境著しい」という表現を使いたい。今シーズンの終わり頃、僕らは新しいマルシオ・リシャルデスを手に入れてるのかもしれない。
肝心なのはトライを続けることだ。同じことは川又にも言える。この試合でもポストを叩いた。どうして決まらないのか、読者も不思議に思っているだろう。それはもちろん技術が足りないのだ。ちょっとした動き方、呼吸やタッチ。トライを続けるしかない。経験のなかで身につくものがある。川又は今やってることを絶対引っ込めるな。今、作ってる決定機の4分の1でも決まれば、新潟の勝率は大幅に向上する。川又だって今季の終わり頃、チョン・テセ級の「人間ブルドーザー」に変貌してないとは誰にも言えない。
この試合は前半、「11年アルビ」の魅力を感じることができた。ミシェウもヨンチョルもスタメン落ちしているが、チームの土台はだいぶ出来てきた。「前からプレスをかけて、奪って速く攻撃する」(黒崎監督)だ。ちょうど会期中の南米選手権(コパ・アメリカ)になぞらえれば、ウルグアイに似たサッカーだ。ブルーノ・ロペス、川又がスアレス、フォルランの役回り。
叉、主力が戦線離脱するなか、バックアップの若手がチャレンジの機会を得た。例えばこの日の木暮郁哉は出色だった。今年はこの後もオリンピック予選などで選手が欠ける。バックアップの底上げはサバイバルの絶対条件だ。おそらく村上佑介のシーズン途中の獲得は、サイドバックの攻撃参加をチームの生命線と見て、この日のチームに加えたいのだ。
勝負のアヤとしては前半、主導権を握ってるうちに追加点が奪えなかったのが響く。後半10分、自らの凡ミスからボールをさらわれ、鈴木大輔がエリア内でファウル→一発レッド。これはエリアで転倒した高原直泰自身が「ファウルを誘った部分もある」とコメントしているように、鈴木にとっては勉強のしどころだった。PKは小野伸二が決め(オザーさん惜しい!)、10人対11人で同点という局面に。
−後編に続く−
J1第5節、清水×新潟。
今週は「中2日の清水」と「中5日の新潟」だった。猛暑の夏だ。このアドバンテージは大きい。うまく生かせば、今季初の連勝が見られるかもしれなかった。そして、苦しいなかで少しずつ作り上げてきた今季の新潟スタイルを見る機会だった。
試合はいきなり前半5分、石川直樹のゴールで先制する。亜土夢のCKをファーの菊地がヘッドで折り返し、それを石川がスラして決めるという、これはもう練習&研究の成果。田中亜土夢のセットプレーは貴重な得点源になりつつある。ここ数試合、彼がやり切ろうとしている姿は胸を打つ。いいことも悪いこともあった。僕は「進境著しい」という表現を使いたい。今シーズンの終わり頃、僕らは新しいマルシオ・リシャルデスを手に入れてるのかもしれない。
肝心なのはトライを続けることだ。同じことは川又にも言える。この試合でもポストを叩いた。どうして決まらないのか、読者も不思議に思っているだろう。それはもちろん技術が足りないのだ。ちょっとした動き方、呼吸やタッチ。トライを続けるしかない。経験のなかで身につくものがある。川又は今やってることを絶対引っ込めるな。今、作ってる決定機の4分の1でも決まれば、新潟の勝率は大幅に向上する。川又だって今季の終わり頃、チョン・テセ級の「人間ブルドーザー」に変貌してないとは誰にも言えない。
この試合は前半、「11年アルビ」の魅力を感じることができた。ミシェウもヨンチョルもスタメン落ちしているが、チームの土台はだいぶ出来てきた。「前からプレスをかけて、奪って速く攻撃する」(黒崎監督)だ。ちょうど会期中の南米選手権(コパ・アメリカ)になぞらえれば、ウルグアイに似たサッカーだ。ブルーノ・ロペス、川又がスアレス、フォルランの役回り。
叉、主力が戦線離脱するなか、バックアップの若手がチャレンジの機会を得た。例えばこの日の木暮郁哉は出色だった。今年はこの後もオリンピック予選などで選手が欠ける。バックアップの底上げはサバイバルの絶対条件だ。おそらく村上佑介のシーズン途中の獲得は、サイドバックの攻撃参加をチームの生命線と見て、この日のチームに加えたいのだ。
勝負のアヤとしては前半、主導権を握ってるうちに追加点が奪えなかったのが響く。後半10分、自らの凡ミスからボールをさらわれ、鈴木大輔がエリア内でファウル→一発レッド。これはエリアで転倒した高原直泰自身が「ファウルを誘った部分もある」とコメントしているように、鈴木にとっては勉強のしどころだった。PKは小野伸二が決め(オザーさん惜しい!)、10人対11人で同点という局面に。
−後編に続く−