【コラム】えのきどいちろうのアルビレックス散歩道 予告編
2016/3/3
「今週は予告編」
読者の皆さん、2016年シーズンの開幕です。どうですか、率直に言って「うわ、もう開幕か!」じゃないですか。ついこないだまでタイでブリーラム・ユナイテッドと試合やってたと思ったら、もう開幕ですよ。早い。びっくり仰天の2月開幕ですよ。やっぱりちょっと感じが出ませんね。折しも今週は寒波襲来です。新潟は雪になった。
2月開幕に至った事情というものは僕も理解してるつもりです。が、いきなりね、ヨーイドンで雪国クラブが不利な条件に立たされるんだったら納得いかない。練習環境が確保できてるといいんですけど。それでなくてもうちは新監督の新チームのスタートだ。非常にナーバスです。万全の準備をして、気分よく送り出したい。吉田達磨丸の出航ですよ。シャンパンを割って進水式です。
吉田達磨監督のアルビレックスが楽しみである点は疑いありません。クラブは武者修行に出していた若手をレンタルバックし、育成手腕に定評のある達磨さんに任せた。脳裏に浮かぶのは「鉄は熱いうちに打て」のフレーズです。鉄をこれから達磨さんが鍛え上げていく。そのプロセスを僕らは見るんだ。
思えばね、アルビレックスは平均年齢高めのチームだったでしょう。J1に昇格して、何とか必死に食らいついていこうとするとき、2つ大事な戦略があった。「優良ブラジル人選手の獲得」と「即戦力選手の補強」だ。だからチームマネジメントはコーディネーションっぽい感覚があった。平たく言うと「やりくり」ですね。
で、クラブは手堅く手堅く石橋を叩くように慎重に歩を進め、その段階を脱するところまで来たんだと思います。気がつくとJリーグ1、2を争う若いチームになっている。地元で育った選手も増えた。有望な若者が飛び込んでくるようになった。これは一年一年、歯を食いしばって続けてきたことの成果です。ついにアルビレックスはワカゾーで勝負しようってところまで来た。
といってね、ぎりぎりでやって来たんだな。去年はJ1最下位ですよ。余裕なんかない。リアリズムで言ったら今年も残留が目標です。だけど、カツカツで夢がない現状維持とはぜんぜん違う。吉田達磨を新監督に迎えたんですよ。僕は達磨さんのサッカーは時間がかかると思うけど、必ず花開くと思う。開かせてくれよ、柏が辛抱し切れなかった、固いつぼみの花。オレンジの花を咲かそう。新潟は粘り強く、ガマン強いからね。
そう思うと「うわ、もう開幕か!」の違和感は薄れて、ついワクワクしちゃいますね。それは誰かエライさんの思うツボじゃないかと思うけれど、気持ちは隠しようがない。今年も僕はチームに呼吸を合わせて歩いていこうと思います。できるだけのんびり、急ぎ過ぎないよう気をつけて。たぶん今年も移動は青春18きっぷやLCCのお世話になるんじゃないかな。
あ、そういえば青春18きっぷやなんかで無茶な移動を繰り返すと、こう、自動的に「バカマイレージ」がたまっていって、いずれは東南アジアくらいには行って来れるという持論だったわけですが、おかげでプレシーズンはブリーラムへ行くことができました。本当だったんだなぁと驚いています。まぁ、「バカマイレージ」は自腹ですけどね。
どうか今年もよろしくお願いします。週末から始まるエキサイティングな日々を待ちましょう。それでは皆さん、素晴らしいシーズンを!
えのきどいちろう
1959/8/13生 秋田県出身。中央大学経済学部卒。コラムニスト。
大学時代に仲間と創刊した『中大パンチ』をきっかけに商業誌デビュー。以来、語りかけられるように書き出されるその文体で莫大な数の原稿を執筆し続ける。2002年日韓ワールドカップの開催前から開催期までスカイパーフェクTV!で連日放送された「ワールドカップジャーナル」のキャスターを務め、台本なしの生放送でサッカーを語り続け、その姿を日本中のサッカーファンが見守った。
アルビレックス新潟サポータースソングCD(2004年版)に掲載されたコラム「沼垂白山」や、msnでの当時の反町監督インタビューコラムなど、まさにサポーターと一緒の立ち位置で、見て、感じて、書いた文章はサポーターに多くの共感を得た。
著書に「サッカー茶柱観測所」(週刊サッカーマガジン連載)。 新潟日報で隔週火曜日に連載されている「新潟レッツゴー!」も好評を博している。
HC日光アイスバックスチームディレクターでもある。
アルビレックス新潟からのお知らせコラム「えのきどいちろうのアルビレックス散歩道」は、アルビレックス新潟公式サイト『モバイルアルビレックス』で、先行展開をさせていただいております。更新は公式携帯サイトで毎週木曜日に掲載した内容を、翌週木曜日に公式PCサイトで掲載するスケジュールとなります。えのきどさんがサポーターと同じ目線で見て、感じた等身大のコラムは、試合の感動がさめる前に、ぜひ公式携帯サイトでご覧ください!
読者の皆さん、2016年シーズンの開幕です。どうですか、率直に言って「うわ、もう開幕か!」じゃないですか。ついこないだまでタイでブリーラム・ユナイテッドと試合やってたと思ったら、もう開幕ですよ。早い。びっくり仰天の2月開幕ですよ。やっぱりちょっと感じが出ませんね。折しも今週は寒波襲来です。新潟は雪になった。
2月開幕に至った事情というものは僕も理解してるつもりです。が、いきなりね、ヨーイドンで雪国クラブが不利な条件に立たされるんだったら納得いかない。練習環境が確保できてるといいんですけど。それでなくてもうちは新監督の新チームのスタートだ。非常にナーバスです。万全の準備をして、気分よく送り出したい。吉田達磨丸の出航ですよ。シャンパンを割って進水式です。
吉田達磨監督のアルビレックスが楽しみである点は疑いありません。クラブは武者修行に出していた若手をレンタルバックし、育成手腕に定評のある達磨さんに任せた。脳裏に浮かぶのは「鉄は熱いうちに打て」のフレーズです。鉄をこれから達磨さんが鍛え上げていく。そのプロセスを僕らは見るんだ。
思えばね、アルビレックスは平均年齢高めのチームだったでしょう。J1に昇格して、何とか必死に食らいついていこうとするとき、2つ大事な戦略があった。「優良ブラジル人選手の獲得」と「即戦力選手の補強」だ。だからチームマネジメントはコーディネーションっぽい感覚があった。平たく言うと「やりくり」ですね。
で、クラブは手堅く手堅く石橋を叩くように慎重に歩を進め、その段階を脱するところまで来たんだと思います。気がつくとJリーグ1、2を争う若いチームになっている。地元で育った選手も増えた。有望な若者が飛び込んでくるようになった。これは一年一年、歯を食いしばって続けてきたことの成果です。ついにアルビレックスはワカゾーで勝負しようってところまで来た。
といってね、ぎりぎりでやって来たんだな。去年はJ1最下位ですよ。余裕なんかない。リアリズムで言ったら今年も残留が目標です。だけど、カツカツで夢がない現状維持とはぜんぜん違う。吉田達磨を新監督に迎えたんですよ。僕は達磨さんのサッカーは時間がかかると思うけど、必ず花開くと思う。開かせてくれよ、柏が辛抱し切れなかった、固いつぼみの花。オレンジの花を咲かそう。新潟は粘り強く、ガマン強いからね。
そう思うと「うわ、もう開幕か!」の違和感は薄れて、ついワクワクしちゃいますね。それは誰かエライさんの思うツボじゃないかと思うけれど、気持ちは隠しようがない。今年も僕はチームに呼吸を合わせて歩いていこうと思います。できるだけのんびり、急ぎ過ぎないよう気をつけて。たぶん今年も移動は青春18きっぷやLCCのお世話になるんじゃないかな。
あ、そういえば青春18きっぷやなんかで無茶な移動を繰り返すと、こう、自動的に「バカマイレージ」がたまっていって、いずれは東南アジアくらいには行って来れるという持論だったわけですが、おかげでプレシーズンはブリーラムへ行くことができました。本当だったんだなぁと驚いています。まぁ、「バカマイレージ」は自腹ですけどね。
どうか今年もよろしくお願いします。週末から始まるエキサイティングな日々を待ちましょう。それでは皆さん、素晴らしいシーズンを!
えのきどいちろう
1959/8/13生 秋田県出身。中央大学経済学部卒。コラムニスト。
大学時代に仲間と創刊した『中大パンチ』をきっかけに商業誌デビュー。以来、語りかけられるように書き出されるその文体で莫大な数の原稿を執筆し続ける。2002年日韓ワールドカップの開催前から開催期までスカイパーフェクTV!で連日放送された「ワールドカップジャーナル」のキャスターを務め、台本なしの生放送でサッカーを語り続け、その姿を日本中のサッカーファンが見守った。
アルビレックス新潟サポータースソングCD(2004年版)に掲載されたコラム「沼垂白山」や、msnでの当時の反町監督インタビューコラムなど、まさにサポーターと一緒の立ち位置で、見て、感じて、書いた文章はサポーターに多くの共感を得た。
著書に「サッカー茶柱観測所」(週刊サッカーマガジン連載)。 新潟日報で隔週火曜日に連載されている「新潟レッツゴー!」も好評を博している。
HC日光アイスバックスチームディレクターでもある。
アルビレックス新潟からのお知らせコラム「えのきどいちろうのアルビレックス散歩道」は、アルビレックス新潟公式サイト『モバイルアルビレックス』で、先行展開をさせていただいております。更新は公式携帯サイトで毎週木曜日に掲載した内容を、翌週木曜日に公式PCサイトで掲載するスケジュールとなります。えのきどさんがサポーターと同じ目線で見て、感じた等身大のコラムは、試合の感動がさめる前に、ぜひ公式携帯サイトでご覧ください!
