【フォト日記】意思の繋がり
2018/1/27

高知キャンプ11日目は午前中のみのトレーニング。毎日、競技場や補助競技場に到着する選手たちは早々に準備を終え、必ずといっていい程、定刻の5分前には練習前のミーティングがスタートしています。チーム作りのために、プレー精度向上や戦術の習得だけでなく、練習前からの意識の高さも必要であると物語っています。

ウォーミングアップも入念に行い、紅白戦に向けて、心も体も集中力が増してくるピッチ。勝利のため、チームのためにと選手たちは今日も大きな声を掛け合いながら準備を進めていました。

監督の指示で集められた選手たちは、紅白戦のためにチーム分けされます。「2タッチゲーム。守備は奪うための距離感、攻撃は判断スピードを速めてプレーしよう」と鈴木監督から促され、颯爽とピッチに散っていきます。

ペナルティーエリアの外側のラインにゴールを設置し、公式戦よりサイズを狭めたコートで実施された紅白戦。「少ないタッチにすることで、攻撃に動きを持たせたかった。狭いエリアでプレッシャーのかかりやすい状況にし、プレーの判断スピードを上げさせる意図があった」と、要求に応えさせるための準備を整えた鈴木監督。

それに応じようと、選手の動きは最初から活性。パス&ゴーを選手たちは繰り返し、ダイレクトで短いパスをこまめにつなぎ、密集したエリアでも3人4人と連動してゴール前に抜け出す動きを披露。

フォワードに位置した矢野選手が左サイドからクロスボールを供給して田中選手がヘディングでゴールを決めるシーンや、同じく左サイドの堀米選手がグラウンダーのパスを中央ややマイナス気味に送れば、するするとスペースに入り込んだ伊藤選手がコントロールシュートでゴール隅に流し込むなど、複数選手が意思とボールをつないでゴールネットを揺らしていました。

守備陣も奮闘。スピードの緩いパスを見逃さずにインターセプトしたり、危険なエリアでボールを持たれれば体をぶつけて自由を奪っていました。センターバックに位置した広瀬選手は、積極的にボール奪取を狙い、敵陣深くまでボールを追いかける執念も見せていました。

それでも「ファーストディフェンダーのチェックが甘い」と、マークする相手との間合いをもう一歩詰めたい考え。「カバーに入る選手もボールウォッチャーになっている場面がある」と、守備の連動を向上させるメニューを用意する様子です。

監督就任会見時に「選手個々の特徴を理解し、組み合わせることが監督の仕事」と位置づけていた鈴木監督は、熱心にメモを取りながら紅白戦を眺めていました。「練習中にプレーするのは選手。言いたいことはあるが言わずに我慢している(笑)」と、選手の見極めに徹していました。

継続したトレーニングのなかで、次に打つ手が出てくる考えの鈴木監督は「課題を解決するためのメニューを取り入れて、改善していきたい」と、選手たちに着実なステップアップを、最適な方法で求めていきます。
