メソッド部門活動報告【第3回 TALKMADE】

2020/6/25
いつもアルビレックス新潟に温かいご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。
当クラブのメソッド部門は、SOCCER SERVICE BARCELONA,S.L.(本社:スペイン)との間で、アカデミー育成プログラム「Ekkono Method(エコノメソッド)」ライセンス使用契約を締結し、アカデミー部門の強化・育成のサポートを推進しております。

本活動の一環として、2019シーズンよりアカデミーコーチングスタッフとさまざまな目標を設定し、メソッド部門の活動進捗報告をすることにしています。このたび、第3回目の報告をいたします。


6月は、昨シーズンから取り組み始めたコーチングエデュケーションについて。ミーティングを通じて、アカデミーの各チームに対し、トレーニングを構築する際のサポートになる資料を作成して参りました。以前に説明した、ゲームモデル&コーチング・ラインの2つがプロセスの代表例です。

オスカルガルシア メソッド部門ディレクター
クラブが一番の指導者を持つためには、レベルが高いということに加え、常に学び続ける意識を持続させることが必要だと考えています。私たちアカデミーのコーチ陣は日々の成長を志しており、分析能力も高いレベルにあります。

メソッド部門活動報告第2回、サッカー・サービス・バルセロナ社の報告内容で触れましたが、クラブの歴史やフィロソフィーは未来に向かっていくために不可欠なことです。メソッド部門が設立される前年から、アカデミーのコーチ陣はディスカッションやクラブとしての必要資料を作成しており、指導実践なども行っておりました。これらの基盤がすでにあったことでトークメイドというプロセスを通して、共に元々あった形を崩さずにいろいろなことを進められたと思います。

2種類のアクティビティから発展させてきたコーチング・エデュケーション
■テクニカル・ディスカッション
アカデミーとスクールスタッフが参加し、プレー分析、トレーニングデザインとトレーニング方法を追求していきます。テクニカル・ディスカッションで一番重要視してきたことは、ゲームモデルの構築です。

■アカデミースタッフと行う個人面談
コンサルティングのような形でスタッフをサポートしていくことであり、シーズンを通して、目的に対しての向上を果たすために毎月行っています。個人面談では、各チームの年間プランニング、トレーニングのデザインとビデオを使ったプレー分析を最も重要視しています。

2019年は週に一度、テクニカル・ディスカッションを行い、各コーチとは一ヶ月に一度の個人面談を行っておりました。そして、今季は週に二度のテクニカル・ディスカッションとし、一ヶ月に一度の個人面談を継続しつつ、プランニングを構築していた時期に限っては個人面談の回数を週に一度に増やしておりました。2019年は34回のテクニカル・ディスカッションと81回の個人面談を行い、今季は現時点で25回のテクニカル・ディスカッションと114回の個人面談を行っております。
コーチング・エデュケーションを行うことで向上したのは、コーチ陣が自分の意見を発することと、それが例え他者と違う意見だったとしても、その中で共通点を見つけ出し、ベースになる形を構築できていることです。

最後に、自分自身から見るとコーチ陣によるディスカッションや分析内容のレベルが向上し続けていることは明らかだと言えます。



内田 潤U-15アドバイザー/コーチ




2019年4月にメソッド部門が設立され、オスカルディレクターを中心に、アルビレックス新潟というクラブの文化や哲学とは何か?という観点から始まり、私たちのフットボールフィロソフィとは何か?ということを繰り返し議論してきました。これはクラブの文化や歴史がフィロソフィに紐づき、そのフィロソフィがゲームモデルに落とし込まれていなければならないという考えです。

アカデミースタッフ全員が同意できる共通要素を探り、ゲームモデルを構築していく作業はなかなかのものでした。これまでは各スタッフの中に、アルビレックス新潟というクラブのサッカースタイルはあったものの、それがアカデミーとして統一されていたわけではなかった。

スタッフそれぞれの微妙な考えや感覚のずれを修正や調整していくことは、オスカルディレクターの予想よりも多くの時間を費やしたはずです。要するに、これまでは「あなたのクラブはどんなサッカーをするのですか?フィロソフィって何ですか?」と聞かれたときに、「私たちの掲げるサッカーは〇〇です!こういうことを重視しています」と、スタッフ全員が同じことを言えるもの、見せられるものを持っていなかったということです。

ゲームモデルが構築されることは、アカデミー全体に軸ができるということ。このゲームモデルという軸から逆算し、プレー局面やプレーエピソードへと進み、グループ戦術・個人戦術・個人技術・認知・ポジション/ライン別へと細分化されます。これらを文書やデータ化し、蓄積していくことで、アカデミー全体が抽象的な理解ではなく、具体的な理解へと変化していく。このゲームモデルも5年後や10年後と時代の流れと共に微調整され、進化されていきます。

ゲームモデルはあくまでもベースであり、決められた通りにプレーしないといけないというわけではありません。選手の個性や長所から生まれる創造性あるプレーが人々を魅了するということも知っています。ゲームモデルというベースを持っていることは困難な状況下でも選手や指導者が立ち返る場所があるということにも繋がります。ゲームモデルだけではなくやるべきことはまだまだありますが、オスカルディレクターを中心に、現状の最高形を目指して取り組んでいきます。


7月はアカデミー部門で設立していること関して掲載する予定です。どのような部門があり、部門がどのような機能を持っているのか、またアカデミーの選手やコーチ陣に対し、どのような形で貢献するかを説明いたします。


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