メソッド部門活動報告【第5回: SMARTFIELDER】

2020/9/30
いつもアルビレックス新潟に温かいご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。
当クラブのメソッド部門は、SOCCER SERVICE BARCELONA,S.L.(本社:スペイン)との間で、アカデミー育成プログラム「Ekkono Method(エコノメソッド)」ライセンス使用契約を締結し、アカデミー部門の強化・育成のサポートを推進しております。
本活動の一環として、2019シーズンよりアカデミーコーチングスタッフとさまざまな目標を設定しており、このたびメソッド部門の活動進捗報告をすることにしています。このたび、第5回目の報告をいたします。


今回は、2019年8月に立ち上げた認知部門について紹介いたします。アカデミーの選手に対して週に一回の認知トレーニングを行うことが目的となります。

オスカル ガルシア メソッド部門ディレクター
7月の掲載した当活動報告の通り、部門というもの自体の特性は、アカデミー内で、あるテーマに関するスペシャリストを形成していくことです。部門を持つ意味は、クラブに対してサービスを提供することになります。例えば、学校では数学を専門的に教える先生がいて、そういう専門家がさまざまなクラスに対して授業を行っています。クラス担任がいくつもの教科の授業を行うのではなく、教科の専門家が授業を行うイメージです。今回の報告では、認知部門に関して深堀し、選手やコーチに対し、どのようなことを行っているのかを紹介いたします。

認知部門として行う認知トレーニングは、チームトレーニングの中の一部です。アカデミーのコーチは、選手に対して認知の部分を修正していく指導を行ってきましたが、認知トレーニングを構成していくというのは、まだ行っていませんでした。そのため、認知トレーニングを導入する際、2つのプロセスを作成しました。

1. シーズンの途中で、メソッド部門ダイレクターがコンセプトのプランニングとトレーニングの構築を行い、アカデミー全体に対して認知トレーニングを行いました。選手との目標は、シーズン中にトレーニングで学んだことを発揮できるようにすることでした。また、コーチ陣との目標は、このようなタイプのトレーニングに慣れることで、その後にプロセスの2つ目に入ることでした。

2. シーズンの後半は、引き続きメソッド部門ダイレクターがコンセプトのプランニングと認知トレーニングの構築を行いました。トレーニングの指揮は各チームのコーチが執り、メソッド部門ダイレクターがトレーニングを見終わった後、コーチと共にトレーニング内容に関して話し合いを行うようにしました。選手達との目標は上記1.と同じで、コーチとの目標は通常トレーニングの流れの中に、認知トレーニングを習慣的に取り入れることにしました。

このようなアクテビティを行っていく上で、クラブとコーチの間の繋がりを深めること、またチームとして同じことを行っていく中で、意見交換を活発化させることにより、よりいいものをつくり出していくことができます。



森 亮太 アルビレックス新潟U-18コーチ
「認知」をテーマにしたトレーニングにおいて、プレーに必要とされる一瞬の状況の把握や、分析に基づいた判断力と、それに伴うフィジカルコンディションの要求を含めた実行力の向上を目指しています。その点で以下の2つの大きな柱となる要素を踏まえて行います。

① プレーモデル:4つの局面分類(攻撃/守備/ポジティブトランジション/ネガティブトランジション)→チーム戦術理解
② スペシャリストを育成するためのポジション別トレーニング→個人育成

プレーに要求される情報(敵選手・スペース・ボールなど)を、それぞれの選手がよりよく得られるようになっています。週に一回の認知トレーニングへの理解度と、身体的記憶の蓄積、年齢により異なりますがU-18世代ではすでにトップレベルの実行力を発揮できる選手達も見られます。

身体の成長にも個人差があるように、脳の発達にも個人差があり、それぞれの選手に求められる「認知」レベルも変わります。10〜19歳までの選手達に年間で計画された「認知」プログラムを実践しているクラブは、世界に視野を広げても多くないと感じています。また、新型ウイルスによる活動の中断期間には、選手達とリモートによる「認知」をテーマとした課題も魅力的で、とてもいい刺激を得ていました。



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